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■ 第602回支部講演会

 日本動物学会北海道支部 第602回支部講演会
 
日時:2024年11月18日(月) 17時〜18時半
場所:旭川医科大学 第4講義室
 
演者:陽川憲  博士(北見工業大学)
 
演題:植物を用いた麻酔研究からわかることー麻酔のふしぎ
 
要旨:植物に麻酔をかけるとどうなるのだろうか?植物は動物のように素早く動かないので麻酔にかかっているかどうかを判別することが容易ではない。しかし、オジギソウや食虫植物のハエトリグサは葉の一部に接触刺激を与えると、葉を即座に閉じることが知られている。これらの植物は麻酔によって動かなくなることが知られている。我々のグループでは電気生理学手法や顕微鏡観察などを駆使し、麻酔にかかっている植物内では活動電位が消失し、細胞内小胞輸送が停止していることを発見した[Yokawa et al. 2018 Ann Bot]。また、植物に特有の現象である種子の発芽や葉緑素の生合成も全身麻酔薬により抑制されることも報告している。植物を麻酔研究に用いるアドバンテージは、生きたままの細胞・組織の観察が容易なことである。今回、植物を用いた麻酔研究の結果を踏まえながら、麻酔という薬剤の不思議を共有したい。さらに園芸や農芸分野への応用など、麻酔分子の医療目的以外への使用の可能性についての展望と取り組みも紹介する。
 
世話人:
矢澤隆志(旭川医大生化学)

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