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■ 第548回支部講演会

日時:平成25年8月7日(水)16:00〜17:30
会場:北海道大学理学部5号館2階5-205室
 
演題: 魚類の卵成熟・排卵誘導機構—ステロイドホルモン作用の研究モデル
 
演者: 徳元 俊伸 教授(静岡大学・創造科学技術大学院・バイオサイエンス専攻)
 
講演要旨:
 ステロイドホルモンは一般に細胞内の核受容体に作用し遺伝子発現誘導によるゲノミック作用によりホルモン効果を示すとされている。ところが卵成熟は細胞表面の受容体を介して直接には遺伝子発現を伴わないノンゲノミック作用により誘導されることが明らかとなってきた。一方、卵成熟と連動して引き起こされる排卵については同じステロイドホルモンによるゲノミック作用によるとされている。しかも排卵の際、大きな変化を示すのはステロイドの合成の場でもあり、それまで卵細胞を覆っていたろ胞細胞である。したがって卵成熟・排卵誘導においてステロイドは傍分泌により卵細胞に作用し、自己分泌によりろ胞細胞に作用すると推定されるが、その際にステロイドがどの程度細胞内に浸透し、どの程度が細胞外に残り、それによりゲノミック作用、ノンゲノミック作用経路がどのように活性化されるか、それらの時間的な関係はどのようになっているのかが今後解明されるべき課題となる。明確な形態変化をもたらす動物学の古くからのテーマが薬理学の最新テーマのモデルと成り得る。
 本講演では、ノンゲノミック作用を介在するステロイド膜受容体に関するこれまでの知見と排卵誘導遺伝子候補の選択を可能にしたインビボアッセイ系を中心に最近の研究成果を紹介します。
 
座長、連絡先:山下正兼(北海道大学・大学院理学研究院・生物科学部門)
E-mail: myama@sci.hokudai.ac.jp, TEL: 011-706-4454
講演要旨
出席者 20名

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