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■ 第551回支部講演会
 

日時:平成26224日(月)17:30

場所:北海道大学理学部5号館407号室

演者:小島 哲 (Center for Integrative Neuroscience, University of California, San Francisco)

演題:小鳥のさえずり学習の神経機構:大脳基底核経路と強化学習モデル

 

講演要旨

 キンカチョウなどの鳴鳥(ソングバード)は、親から言葉を学ぶ人間の幼児と同様、幼鳥期に親鳥が発するさえずりの複雑な音声パターンを模倣することにより自身のさえずりを発達させる。このさえずり学習は、大脳基底核−視床−大脳皮質ループ経路を介した強化学習(試行錯誤学習)の一形態であることが示唆されているが、その神経メカニズムはまだ不明の点が多い。私は大脳基底核ループ経路の情報処理機構およびそのさえずり学習における機能を神経行動学的に解析し、「鳴鳥が同ループ経路を用いて強化学習に不可欠な音声の揺らぎを作り出すメカニズム」、および「その揺らぎを用いて手本に似たさえずりを作り上げるメカニズム」の一端を明らかにしたので今回紹介する。またそれらの結果が、人間における大脳基底核に依存した運動学習や言語学習の神経機構の研究に貢献する可能性についても論じる。

 

(ホスト 和多 wada@sci.hokudai.ac.jp)

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