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■第574回支部講演会
 日時:2017年7月14日(金)17:00〜18:00
場所:北海道大学理学部5号館(高層棟)813号室
演者:竹本 研(横浜市立大学医学部生理学教室)
演題:蛋白質が持つ時空間的性質の解明を可能にする光不活化技術の開発 
要旨:
光によるacuteかつ局所的な蛋白質不活性化は、ゲノム操作では極めて困難な蛋白質の時空間的性質の解明に有効であると考えられる。CALI (chromophore-assisted light inactivation) 法は、光照射により活性酸素を放出する光増感物質を用いた蛋白質機能不活化法である。従来のCALI法では光増感物質としてマラカイトグリーンやフルオロセインが用いられたが、これらは活性酸素産生能が低いため、蛋白質機能不活化を高効率に行うことは困難であった。それに対して我々は、エオシンを光増感物質に用いることで、従来の5倍以上の高効率でCALIを行うことに成功した。さらに我々は最近、エオシンCALI法を用いて、学習記憶に関わるAMPA受容体のうちGluA1ホモマーを複合体特異的に光不活性化する技術の開発に成功している。神経伝達物質受容体は一般的に、複数のサブユニットが組み合わさり多様な複合体を形成するが、各複合体は異なる性質をもつことが知られている。本技術は、薬理学的・遺伝学的に困難な複合体特異的な機能不活化についても、初めて道を開くものと考えられる。本セミナーでは、我々が開発したこれらの蛋白質光操作技術について紹介し、さらに本技術を応用した今後の研究についても議論したい。
 
世話人:小川宏人(内線3525,hogawa@sci.hokudai.ac.jp)

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