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■ 第531回支部講演会
日時:平成21年10月23日(金) 16:00−17:00
場所:北海道大学理学部5−813
演題:体色の発現機構と色素細胞の機能
演者:東北大学大学院生命科学研究科 山本 博章
座長:北海道大学院地球環境 鈴木仁
出席者:約20人

 自然界の彩りには目を奪われるばかりである。我々哺乳動物も様々な「色」を表現することができるが、皮膚やこの綱を特徴付ける毛の色は、ケラチン合成細胞に取り込まれた色素顆粒(メラノソーム)による。この色素顆粒は、皮膚を構成する細胞にあってはその数が圧倒的に少ない色素細胞で合成される。この細胞は脊椎動物特異的な神経冠(堤)細胞から分化し、体表だけでなく様々な組織、器官に移動後定着する。一方、眼には発生中の前脳に形成される眼胞に由来する網膜色素上皮がある。これら色素細胞はともにメラニン合成を主徴とし、可視的な形質ゆえ、発生から機能発現に特異的に関わる300を超す遺伝子座がすでに記載されている。ここでは、体色の発現機構を説明しながらこれら遺伝子の機能を概説し、当該細胞の機能についても紹介する。紫外線防御機構への関与はよく知られているが、これら細胞が視聴覚にも必須であり、しかもこの感覚にはメラニン合成は必須ではないことなど不思議である。




更新日:2009年10月24日

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