渉 外

生物科学学会連合 第3回連絡会議記録(案)

日 時:1999年8月6日(金)午後2時30分〜4時30分
場 所:学士会分館(東京・本郷)
出席者:星  元紀  丸山 工作
   石和 貞男(日本遺伝学会)    平野  寛(日本解剖学会)
  中野 明彦(日本細胞生物学会)   福田 裕穂(日本植物学会)
  渡辺  昭(日本植物生理学会)   野村 正彦(日本神経化学会 )
  松本 忠夫(日本生態学会)   川戸  佳(日本生物物理学会)
  本郷 利憲(日本生理学会)   上村 慎治(日本動物学会)
  八杉 貞雄(日本発生生物学会)   徳久 剛史(日本免疫学会)
 (欠席) 日本神経科学学会 日本生化学会 日本分子生物学会
 
配布資料: 1.Agenda
2.第3回連絡者名簿
3.第8回数物化系学会教育問題連絡会報告
4.高等学校学習指導要領「理科」の改善の要点
5.高等学校普通科における必修教科・科目の変遷
6.生命科学の世紀に向けて
7.科学技術会議ライフサイエンス部会ゲノム科学委員会(第12回)
8.我が国におけるゲノム研究の現状
9.日本バイオ産業人会議設立趣意書
10.学術会議だより 日本学術会議の改革へ向けた動き
11.科研費審査システムに関する提言
12.報告「実験動物の規制に関する動き」のメモ
13.nature neuroscience?editorial
14.いのちにやさしい社会の実現を
 

議事要旨:

1)数物化教育問題連絡会に生物科学学会連合(以下,生科連)が参加することの是非について討論され,出席学会の大勢は是なるも,正式参加は欠席3学会の了承を得た上で行う。ただし,問題ごとに学会が独自に参加,不参加を決められることを申し合わせた。生科連の代表は世話役学会と世話役代行学会とする。

2)高等学校の理科教育カリキュラムが平成15年を目処に改正されることが丸山工作大学入試センター長から紹介され,これに対して,理科科目における必修単位数減少がもたらす将来について懸念の声が上がった。

3)生物科学をめぐる政府等の動きについて,通産省主導によるバイオ関連研究重視の現況が星代表から報告され,年間2500億円の官邸枠と称する予算のあること,このうち半分はバイオ関連に割り当てられる予定であることなども紹介された。また,我が国の研究には目的短絡的(新幹線型)研究が多いこと,学生数は工学系が多く応用型研究指向であることなどの指摘があり,こうした情勢に対し,フリーハンドな研究をもっと認めるべきである,生科連が基礎研究にもっと光をと主張したいなど,批判的な意思表示が多数の学会からあった。

4)実験動物の規制に関する法改正の動きと,手続きが煩雑になることにより予想される研究活動上の障害など様々な 問題点について,解剖学会から提議があった。背景にある倫理観の違い,脊椎動物にまで及びそうな規制強化の勢い,動物虐待の温床と祭り上げる政治利用などに,憂慮観が支配した。一旦作り上げられた大勢は覆し難いので,研究者70万人の票で対抗してはどうかなど,現時点で声を大きくして行くことが必要との意見があった.議論を深めるために,討論用の電子メールボックスを設け,日頃から活発な意見交換を重ねることとした。

5)生科連の定例連絡会議は原則として,年1回春に開催することを申し合わせた。年会費5,000円の徴収を実施する。

以上