動物学将来推進計画委員会報告

ポスドク・大学院生の処遇や研究環境に関する、問題点や提案等(身分別)

1.大学・公立の研究所の職員

・ポスドクが少ない。またあっても分野が偏っている。

・ポスドクが教育機関ではなく国の研究所や試験場に偏っていないか疑問である。たんなる臨時の研究員をポスドクと呼んでおり、教育的な部分が希薄なのではないか?大学の教員に高い資質が要求されていないことの反映なのかも知れないが。本来は数年程度継続する科研費で、博士課程を持つ大学で雇用できるようにすべきだと思う(アメリカでポスドクの経験有り)。

・多くの人が問題視している点と同じで、将来の受け入れ先を全く考慮しないままで院生とポスドクの人数ばかりを増やす無計画さが問題である。これは、院生やポスドクを減らす方向ではなく、学位取得者の将来の職場を増やし、研究環境を充実させる方向で検討するべきである。

・質の悪いポスドクが多くて困っている。博士号を取らせてはいけない様な人に無理してとらせている様に思える。水準を超えていれば次の行き先もあるが、水準以下ではどうしようもない。このような人ができないように大学側も責任を持ってほしい。大学と企業の交流を活発にすれば、就職先も見つけやすくなる。特に教授は民間を見下すような考えは捨てるべきである。

・研究者としての勤め口がポスドクの増加に追い付いていないので、就職に苦労している人が多い。大学院生やポスドクを使い捨てにする現状を文部省が見直すべきだ。

・科研費などの研究助成額を大幅に増やし、講座制に縛られない各教官が自分の裁量でポスドクを雇用出来るようになれば環境改善になるのでは

・研究者として適当と認められるものだけを博士に進学させる、ということを徹底する必要がある。また、博士2年(または修士2年)終了時までにファーストオーサーの論文を出す、ということを博士取得(進学)の資格にする、くらいでないと、不適格者が多くなりすぎる。

・<予算・研究スペースなどが現状のままだとすると、ポスドクや大学院生の研究環境は現在よりもさらに悪化することになります。>
 ポスドックの研究環境の悪化,ポストの減少による将来の不安などに関しては,生物系/基礎医学系の現状はどちらかといえばまだかなり余裕のある状態だと思います。物理,工学系の友人に聞くところによると,そちらの分野のほうがはるかに問題は進行していて深刻です。動物学会だけの意見をまとめる前に是非ほかの分野の関係諸学会,団体の方針を参考にされるとよろしいのではないでしょうか。

・今の院生・ポスドクを増やすという方針には、賛成できない。なぜなら、やはり将来の受け入れ機関があまりにも少なすぎる。院生・ポスドクを増やすなら、将来安定した研究職のポストを増やすべきだ。無条件にパーマネントの職を保証せよと言うのではなく、業績や人物に応じたものでよい。

・研究環境:研究スペースの狭さが一番の問題となっている。近年、ポスドク、院生への研究費が少しずつ増えているように思うが、機器を置くスペースが無い。また、ゆっくり論文を各机など論外の状態です。

・ポスドク後の就職先が少ない。ポスドクの就職問題に関しては、研究機関がどんどん一般公募を行い、人員が入れ替わるようにすると良い。それが既存の研究機関の活性化につながる。どれだけちゃんとした公募人事をしているか文部省がチェックすると良い。

・大学院生は増えてきているが、奨学金はそれに応じて増加しているとは言えない。地方大学の院生にも、旧帝大と同等の支援が必要である。

・各種のサポートを受けるチャンスについて、研究内容ではなく、所属先の名前や有名大学かいなかなどが、決定要因になっているのではないかと、危惧される。

・研究分野が伝統的な生物学であるので、状況は悪くなる一方です。他の分野に比べ大変厳しい状況です。以前から守ってきたポストが他の分野に取って代わり駆逐されてきています。このためもともと少なかったポスドクの就職口がますます減少しています。基礎的分野の消滅は生物学の基礎教育に大きな影響を与えると思われます。生物学を専攻しているに関わらず生物の知識のない学生が現実に増しています。生物学の基礎教育という意味で、基礎の基礎を研究・教育できる分野の教官ないし研究室を各大学に最小数残すべきと感じる。この状を見ている大学生は、大学院進学にとまどいを感じている。この調子でポスドクが爆発的に増加することは無いと思える。

・問題点
(1)スペースが少ないにも関わらず定員を多くしたため、研究の場所がない。
(2)学位を取っても、安定・安心して研究を続けるための職が少ない。
(3)大学院の入り口を広げすぎたため、本来大学院に進むべきでない、やる気のない学生までもが進学してしまう。
提案:学生の定員を減らし、やる気のある学生だけを厳しく選び出し、少数精鋭の研究環境にするのが好ましい。そのためにも大学院に進学する学生の意識改革が必要。

・大学院生:将来への不安、特に独立行政法人化、国家公務員の定員削減等
業績主義に陥り、地味な研究、息の長い研究が敬遠される

・ほとんどのポスドクが指導教官のコネによって動いているように見受けられる。コネのない私の研究室では、日本のポスドクすら手に入らないかもしれない。

・このままいくと、40歳を超えて未だ尚ポスドクという人口が今後急増する。どうするのか?今の日本の科学は、日本独自の独創を目指すというよりは、アメリカをはじめとする外交の潤滑油的な地位であるといっても過言ではない。すなわち、日本でのポスドク生活は、アメリカの下請け会社の日雇い従業員である。このような政府の科学に対する政策を抜本的に見直さない限り、いくらポスドクや大学院生に対する処遇を改善しても、結局は彼らの不幸を先延ばししているに過ぎない。

・今の大学院生の世代にとって、学位を取得してももその後の保障や将来への展望が見えず、非常に問題だと思います。優秀な一部の人間だけが競争を勝ち抜き、それなりのポストにつき、日本のサイエンスを引っ張っていけばいいというのも一理ありますが、国の政策で将来のビジョンなく大学院生をふやしているからには、それなりのことを国としても考える必要があると感じています。ポスドクを経験しているとしたら、かなりの知識、技術を身につけているわけですから、現在の大学や研究所などのポストとは別に、それを生かせるポストを考える必要があると思います。またそれだけでなく、在学中の経済的支援の問題も深刻です。極端なことをいえば、将来の保障がないので、奨学金は支給でもいいのではとも感じています。きちんとした職にもつけず、奨学金の返還をしていかないといけないとしたら、大変です(5年間の猶予があるようですが)。学振の特別研究員の枠ももっと拡充してほしいと思います。

・近頃、日本の社会がアメリカ風に弱肉強食社会に移りつつあることを感じる。しかし日本とアメリカの絶対的な違いは日本は、敗者復活のない社会でありいったん弱者になればそれで終わりである。ゆえにポスドク制度はその先の職の見通しがない限り早急に廃止すべきである。

・科研費でポスドクを雇えるようにしてほしい。

・PDの給与を減らして採用件数を増やしてほしい。

・成果をあげた人には、さらに長くポスドクの期間をのばし、研究職に就ける機会を増やす。またなぜか日本では講座制の習慣が若い人に重たく感じられ、日本のサイエンスを遅らせているように思える。ポスドクには自由な発想で研究を続けてもらいたい。

・最近はポスドクがむちゃくちゃ増えましたけど,助手の職は限りなく少なくなっているわけです。すなわち,どう考えてもdisposableに人間を扱っているように見えるのですが... このような状態で,日本のサイエンスは大丈夫なんでしょうかねぇ?

・院生は経済的に自立を求められる場合も多い。生活をアルバイトで成立させているため、研究時間が圧迫されている。
 本学は大学院が設置されたばかりで、設備等も充分整っていない。大学院の予算も、多くが事務系や学部に天引きされているようで、研究費・研究設備が増えた実感がない。
 院生自身が、ポスドクの増大を肌で感じていて、学位取得後の就職に大きな不安(就職倍率が極端に大きいという絶望感)を感じている。
 行政サイドも、博士の採用を積極的に行って欲しい。博士取得年齢では県・市町村の公務員試験の受験資格を失っている。国公立の研究・試験機関は特別採用があり得るが、行政職でも博士の能力・経験を活かせる場は多いはずである。学会としても、博士が年齢制限で公務員試験から排除されないよう働きかけて欲しい。

・大学院の研究環境並びに専任教員の質ともに非常に貧弱である。また,将来の就職先についてもその保証は皆無に近い。また,今後国立研究機関はほとんど独法人となり,中期的研究目標の下に目先の成果を求めた研究だけが卓越する可能性が考えられる。このように,若手研究者の雇用とその訓練を行う環境は非常に厳しい状況にある。したがって,大学院生及びポスドクの将来は厳しく,かつ我が国の科学研究の継承進展は見通しが暗いと言わざるを得ない。これは,政府の科学振興の政策の欠陥であり,また大学も大学院の増設ばかりを目的にその基本的理念の欠落の下に院生を増やしてきた責任は重い。このようなことに危機感を感じる学会も多いと思われるので各学会が共同でその危機を広く世間に公表することが急務である。若い優秀な人材の有効かつ組織的な利用を図る科学者雇用法なるものを政治的に働きかける必要もあろう。(国立研究機関でも任期付き研究員の雇用が可能になっているが,雇用出来る予算のある研究課題は非常に限られているのが現状である。このようなことから,この制度の運用の拡大を図ることが当面必要である)

・大学教官が自分の裁量でポスドクやテクニシャンを雇うための人件費を国の予算として計上してほしい。少数の大きなプロジェクトにはこのような枠があるが、特に基盤研究などでもその分増額して人件費を含めてほしい。
 大学院生については、研究室でテクニシャンな扱いをするのではなく、まだ修行の段階なので、十分な基礎をみっちり学ばせるという姿勢が大学教官には必要である。

・本学(私立)大学院に限って言えば最大の問題点は、年間100万円を越える学費。大学側の努力と共に、国レベルのサポート体制、たとえば育英会奨学金の充実、できれば希望者全員給付など。

・すべてのPDに研究費(年額150万円程度)、生活費(月額10万円程度)いずれかの保証をすべきである。

・1.大学院は院生のためにあり、教員のためにあるのではないことが忘れられている。2.院生(少なくとも博士過程)には、自活できるだけの経済的支援をする。(給費奨学金など)

・特に思い当たりません。当たり前のことですが,ポスドクや大学院生の周りにいるパーマネントの研究者が彼らの身分を理解し,できるだけ処遇の面や研究環境の面でいっそうのサポートをする必要があると思います。

・大学院生の就職先がない状況をもたらした原因はふたつある。
 ひとつは大学院の重点化による大学院卒業者の大幅な増加だが、この点については安易に進学を勧める指導教官側にも問題がある。日本国内のアカデミックな機関での研究者の需要はそれほど多くない。つまりこれ以上、基礎科学の研究者を増やす社会経済学的な余裕はない。そのような状況で簡単に大学院への進学を認めるのは,教官として無責任というか無見識である。進学してからも院生の就職先探しには無関心な指導教官が多い。
 一方で、アカデミックな地位にこだわる大学院生にも問題がある。欧米では博士をとってから企業へ就職する院生のほうが多い。しかし、日本の大学の院生は就職については意識が保守的で、大学や研究所以外の進路を最初から除外して考えているように思える。博士が企業へ就職する場合にはいきなり行っても無駄で、在学中の研究において産学交流の経験<実績)があったほうが良い。その機会を作ることと、院生の意識を民間の就職へも向けることは、どちらも指導教官の仕事だと思う。

・(1)大学院生は事実上、親からの援助なしには生活できない。院生が研究に専念しつつ、経済的に自立できるようにしてあげるべきだ。
(2)現在の制度ではポスドクおよび大学助手はテクニシャンとして使われている。ポスドクのポストを増やすならテクニシャンのポストを増やすべきで、ポスドクにもテクニシャンをつけるべきだ。
(3)30才台こそ独創性を発揮できる年代であり、そういう若い頭脳を大型プロジェクトの歯車に使うべきではない。若い人が長期的な展望で独立して仕事ができるようなポストが必要だ。

・研究予算の中から、各研究者の裁量でポスドクや学生に給料を払えるシステムにしてほしい。そのための予算として研究費を増額してほしい。
現在の学振のポスドクは、出身研究室に居残り、次の就職先が決まるまでの暫定ポストとして使われている場合が殆どです。ポスドクは必ず別の研究室でなるように強制させたほうが、本人および研究室にとって有意義と思われます。

・大学の法人化とか任期制の導入とかで大学教官が窮屈で魅力のないポストになりつつあるなかで、ポスドクや院生の待遇を改善しても無意味。

・大学院生全員に奨学金を与えるべきである。特に私立大学においては、学費が国公立より高いので、生活費を含めて親の負担が大きく、才能や熱意がありながらも進学を断念する学生が少なくない。

・大学院の重点化により、大学院の教授が定員化されたところはまだしも、小規模大学では学部教育と院生の指導の双方を同一の教授が兼ねており、研究費の大部分が院生に使われることになる。教育の時間配分においても大学院のほうに力点がおかれ、いきおい、学部教育がおろそかになってしまう。問題は、ポストドクあるいは大学院生のみならず、学部教育を含めて検討すべきである。1日が48時間あって、それについてゆくだけの体力のある教授で、しかも、外部資金の獲得能力を持っていなければ、大学教育を責任をもって果たすことができず、どこかで手抜きが発生する。修士課程のみあるいは連合大学院でごまかされている大学が存在するすることも考えていただきたい。

・今回の調査結果をとりまとめ、「会員に広く提供する」ことはもちろん必要でしょう。学会内でその情報をもてあそんでいても、お互いに事情がわかったということに終始するのみです。これをもっとひろく、たとえば国大協(あまりパワーがないですが)や文部省、さらに、報道関係にまで提供し、広く国民にまでアピールすべきでしょう。

・ポスドクをたくさん作っても、その後の研究職(大学教員)のポストがどんどん減っていくので、学生に大丈夫だと自信を持って言えない。
 提案:最低、今の教官数を維持するしかないのでは。

 

2.ポスドク

・パーマネントの大学教員または研究員のポストが今後増えていく見込みがもしもないのであれば、給与、期限、年齢制限などを引き上げた上級ポスドクの雇用数を増やして欲しい。

・大学院生に関しては、学振に採用されることがきわめて少ない(大学により採用の偏りがある)。また奨学金で生活しても、将来に奨学金の免除職に就くのは至難の技であるし、余裕をもって返済できるだけのポストも限られている。
 ポスドクに関しては、ポスドクは数年の期限しかないため、進路など煩わしい問題が多いし、高齢になるとポスドクにもつけなくなるため、将来の不安が多い。

・本アンケートの序文に書かれているとおり、学生は増やしても大学規模は縮小させようとしているわけだから、今の大学院重点化は逆に研究環境を悪化させているに他ならないと思う。むしろ、今の政策と全く逆のこと(設備を縮小せずに、学生の数を少子化に会わせてを縮小する)をやれば、真の意味での重点化になるのでは?

・国内のポスドク募集を一括して閲覧できるHPなどがあれば便利。

・ポスドクの期限をもう少し長くして貰いたい。将来が不安定なので、家族が出来た時に困る。

・プロジェクト全体の研究費は膨大だが、その配分が不当である。つまり、プロジェクトに関わってからの研究業績が予算配分に反映されていない。例えば、同じ研究員という身分であるにもかかわらず、医者(ポスドクではない)であるとか口がうまいということでより多くの研究費が配分される傾向にある。これは、研究室の組織体型に大きな問題があると考えられる。研究費の配分は、研究室内でも第3者的立場から正当に評価した上で決めて欲しいものである。

・ポスドクは「就職」への橋渡し的なポストだと考えます。そういう意味で将来に向けての経験や知識を蓄える重要な期間であると思います。現在の給与や研究費には満足しています。しかし現在一番の気がかりはある一定の分野に求人・公募が集中していて、もちろん自分の実力のせいでもありますが、専門分野での就職がかなり困難なことです。現在のポスドクの期間が終了したら、研究職以外の就職も考えています。ある分野の研究をしないと研究費がとりにくいなど様々な社会・研究界の流れがあるように思います。出来る事なら様々な分野の研究を広い視野で、単なる効率や生産性だけでなく、価値を判断して欲しいと思います。しばしば「これからは*****分野の研究をしなければ価値がない」みたいな意見も聞かれます。

・ポスドクは大体1年更新3年期限くらいが多い。短すぎる。また更新時もめた場合ポスドク不利である。相談や調停する機関がないと将来ポスドクくずれ無職者が大量に流出する可能性がある。

・ポスドクの口が増えたことは、いい意味での欧米化が出来て良いと思います。ただ、今度はその人たちの「今後」をあまり考えているように思えないです。
 大学生の減少、大学の統廃合、独立法人化、研究費の伸び悩みなどなど、いろいろ問題が噴出していて、ポスドクの受け入れ先が国内にほとんどなく、いい人材も国外に流出、あるいは研究自体を続けられなくなる事態が急増していると思います。
 高度成長期の日本を支えていたのは、町工場だったが、今それらが減って、日本の技術立国というものが崩れ去ろうとしている状態と非常に似ていると思うのは私だけでしょうか?これから先どうなるか、私個人の人生だけでなく、多くの研究者含め、科学立国の日本の根幹に関わる一大事だと思います。

・就職先が少なすぎる。

・学位を取得した人間の就職先を用意せずに大学院生の定員のみを増やすという文部省の方針は無責任すぎる。

・このHPの導入のところにもありましたが、研究員の人数だけ増やして、その受入先を減少させている国の無能な対策。

・自身のことではないが、周りの大学院生等の意見をもっと尊重し、彼らがしたいことをさせて欲しい。

・1. 大学院生の奨学金
日本の育英会の奨学金は返済する必要があるので,英語ではスカラーシップではなくローンになる.先進国としてはとても情けない.返済の必要のないスカラーシップの充実が望まれる.
2.博士取得後,ポスドク後の就職
日本ではポスドク後,或いは博士課程卒業後のキャリアパスとして,研究者しかない.アメリカの様に,銀行員になったり,エンジニアになったりするという道が閉ざされている.
 アメリカでは論文博士はないが,日本ではそれが認められているので,大学院に行くことなく,博士を取れる.これだけ博士課程の定員が増えたのだから,夜間大学院を作って論文博士を廃止し,何らかの大学院教育を受けた人だけが博士を取れる様にしたら,企業の受け入れも増えるのではないだろうか?
3大学の職
大学の職の公募は,以前に比べると増えてきたかも知れないが,多くの場合は公募されることなく,ポストが埋まっていく.ポスドクや大学院生の数がとても増え,少ないポストの取り合いになっている.もし,ポスドク制度などアメリカ流を導入するなら,大学での採用も,アメリカの様に必ず公募する事を法律で義務づけてほしい.

・ポスドクという期限付きで将来のない状況では、時間のかかるテーマは研究できない。
 また、安定した職を得るために公募に応募しても、審査プロセスが非公開でなおかつなぜ不採用なのか明確な説明がないので、応募を繰り返しているうちに社会および人間不信になる。

・大学院生の収入格差をできるだけ無くして欲しい。

・大学では研究スタッフが充実していないため、学部・大学院生のケアが博士過程の大学院生、およびポスドクの大きな負担になることがある。奨学金制度が充実していないため、常に生活そのものに対して不安を抱えている。

・研究能力や家族構成を考慮した所得額の決定機構がない。ポスドクの数に対して、その後の求職数が少ない。

・ポスドクにもかかわらず,研究以外になすべきこと(雑用)が多すぎる。

・ポスドクは雇う側からみれば共同研究者としてだけでなく、研究推進のための単なる労働力としても重宝な存在であると思うが、ポスドク側は自分の将来の為に自らを鍛えたいと思っている。雇用側には、ポスドクを単なる労働力としてみるだけではなく、若手研究者の訓練期間であるということを多少は意識してもらいたいと思うのだが。

 

大学院生・研究生他

・学振特別研究員以外のポスドクのポストも育英会の免除特別猶予職になっていないこと。

・私は、恵まれた研究室にいますので、それほど問題は感じていません。

・Teaching assistant制度の不備、不徹底さ。建て前先行、契約通りの内容となっていない。大学、研究室による運営のばらつき。大学教官に対して学生数が多い。研究者はマスプロでは育たないのでは。

・大学における研究環境の改善をしてほしい。それと、国立の研究所の研究員の数を増やしてほしい。そうすることで、研究職の雇用が増えると思う。
 学術振興会の未来開拓のポスドク制度はおかしいと思う。通常の特別研究員は審査を受けて採用されているのに、未来開拓のポスドクは研究代表者が任意に決めている。それはいいが、審査を受けて採用されている特別研究員よりも、未来開拓のポスドクのほうが給与、保険の面で優遇されている。どう考えてもおかしいと思う。

・教授に絶対服従しなければならないと言う、古い考えの教授が多すぎると思います少し不満に思ったことを抗議しに行くことも許されないのはおかしい

・大学院大学のようなものを作るべきではないだろうか?

・一般企業が博士号を持つ学生を採用してくれるといいのですが。

・実験室の研究成果をあげている院生に、給料くれ!!月5万でも、いいっす!

・アメリカのように,大学院生が経済的な問題を心配せずに研究ができる環境が整うとよいと思う.具体的には,TAの採用人数が少なすぎると思うのでもっとふやしてほしい.また,学振特別研究員ほど待遇がよくなくても,大学院生が収入を得ることのできる制度を作ってほしい.

・卒論シーズンが終わったばかりなので感じることだが、自分の研究以外にすること(とくに4年生の卒論のまとめ)が多すぎる。給料をもらっている教職員よりもこのことに時間を割いていることに矛盾を感じる。
 また、地方大学にとくにいえることだが、ろくに論文も書かず、研究費も取ってこず、のうのうと茶や酒を飲んで高月給をもらっている教職員が多すぎる。その結果、惨めな思いをするのは院生であり、学部生である。(研究室全体で)年10数万の研究費でいったい何の実験をやれというのか。酒を飲んでいる教職員たちはそれでもいいかもしれない。なぜならそれでも首にはならず、安定した生活を送れるのだから。しかし学生があまりにもかわいそうだ。さらにそのような大学に限って、定年退職までの期間が長い様な気がする。
 誰でもいいから、そういう現状を把握する機関を設置して欲しい。そして働かない教職員は積極的に首にし、若い人材をどんどん採用するような環境にして欲しい。

・院生にも攻めの姿勢が必要である。

・学振や奨学金のように選抜制でなく、少なくとも博士課程以上は給料を一般に支給すべき。研究室の研究成果と言われる物の直接の貢献者は学生やポスドクであって、さらにそのための拘束時間は教官の比ではない。

・博士後期課程在学くらいになれば給料をもらって研究できるような環境であればよい。

・学術振興会の特別研究員になるための審査基準などが不透明で、わかりずらい。また指導教官の事務仕事などの手伝い、駅までの車での送り迎えなど、およそ大学院生の義務とも思えない要求を出される場合もある。大学院生としての権利を無視した上での義務の強要ばかりが目に付く。義務が強要されるのであれば、それに見合った研究費の自由裁量などをある程度のガイドラインのもとに示してもらいたいと思う。

・このまま職業として研究者を続けていけるのかが心配。ポスドクとは社会においてどのような位置づけなのかがやっている本人もよくわからない。

・私はドクターから他の大学に移動したものです。以前の研究室は教官1人が一つの研究室を持つという体制をとっており、私は助手の研究室に所属していました。
その教官は時間的余裕があるのにもかかわらず、実験はしない、研究費も取れないで、所属した3年間を無駄に過ごしてしまったように思っています。大学の教官が日ごろどのようなことをしているのか、チェックできる機関はないのでしょうか。何とかしてほしいとずっと思っていました。国から給料もらってるわけですから、ちゃんと働いてほしいと思います。

・ポストの確保が不透明

・研究以外の環境での援助が少ない。金銭面にゆとりが無いと研究に専念できないと思います。大学院に上がる過程で何らかの援助制度を設けて欲しいです。

・指導もできない無能な教官や人格的に破綻している教官の追放が可能なシステム作りが必要

・日本では研究費の流れが著名な一研究室に集中しがちで、研究テーマが偏り過ぎである。諸外国に比べてオリジナリティある研究者が少なくなる傾向にある。この傾向に歯止めをかけなければ、日本の生物学はダメになると思う。

・ポスドクの増員学振や科研費の合否の公平性

・沢山の大学院生を修了させるのは、人材の確保という点では必要なことと思います。しかし、その人たちを一体誰が雇うのでしょうか。こんな混沌とした状況では、本当に優秀な研究者はもっと安定した職に逃げていってしまうと思います。税金の無駄使いはやめて欲しいです。

・いろいろ問題点はありますが,自分の問題ですので,この場では控えさせていただきます。

・将来のポストが削減する一方で、院生やポスドクを増やす現状にはやってられない。

・院生・ポスドクの人数に対する就職のポストが少ない

・1.日本育英会の奨学金制度
大半を占める日本育英会奨学金の返還免除が公的機関の任期無しの職業についた場合にのみに限るのというのはパーマネント職が減りつつある現在においてそぐわないと思う.少なくとも公的機関においてポスドクなどの任期職についた場合でもその期間に応じて奨学金の免除を受けられるようにしてほしい.

・学生に対して、ある程度の自由度を持たせるべき。(軌道修正はこの限りにあらず。)何を提言しても、「やってもむだだ」と言った回答しか得られないボスは、何の足しにもならない。

・日本育英会の奨学金は借金形式で、研究職に就くことで返還を免除される形式のため、高度に専門的な教育を受けた優秀な人材が民間企業に就職することを妨げている。

・論文のインパクトファクターがどうも納得いきません

・1、学生数に対する教官の人数が少ないため、シニアな大学院生が下級生の面倒を見ることになり、給与なしにも関わらず負担が大きい。せめて、TA制度を給与制にするなど改善を願いたい。
2、教官の研究、教育以外の仕事を減らしてほしい。雑用に追われていて、満足に指導してもらいにくい。

・奨学金、学振の受け入れを増やすべき。

・大学院の学生の枠を増やしている割に、世間の需要もないし、助手などのポストが少ない。また奨学金などの経済的サポートもさっぱり・・・・よって、このままでは研究、教育環境も悪くなっていく一方では? これで基礎科学が発展していくと考えている文部省のお役人や審議委員は一体何を根拠にこんなことをやっているのだろうか?はっきりいって机上の戯言で現状に即していないし、こんな制度に振り回される学生並びに教官はたまったものではない。この状態を続けるくらいなら、いっそのこと大学院の定員を減らして、少数精鋭で行った方がよいと思うし、routineな実験は技官を雇ってやった方が能率がいいと思うのですが。特に修士の奨学金(1種)の申請が通らないし、大学間でももらっている割合の差が大きい(奈良先端とか)。

・現在の学生の扱いはひどいと思う。学生といっても講義を受けたりする事は全くなく,授業料を払って学んでいるという実感はまるでない。ただ研究室の一戦力としてひたすら実験に明け暮れる毎日であり,拘束時間的にも,労働条件的にも,一般企業のそれと比べても非常に厳しいのに,なんの手当てもなく,このような状況に置かれるのは正直理不尽だと思う。研究室の戦力として欠かせない存在であるのに,自分一人の生活費すら保証されない,もちろんアルバイト等している時間はない。学振等の制度もあるが,正当な評価をされているとはとても思えないし,受け入れ人数も少なすぎる。学生にもそれなりの給料と保証を与えないと,優秀な人材は研究者の世界から遠のいて行く。その点がネックとなって研究者の道を諦める人は相当な数に上ると思う。それから,学生の評価がたった一人の担当教官によってのみ決定されることにも大きな問題がある。担当教官に見放されてしまった時に,学生はその将来を完全に失う。人間同士だから,関係がうまく行かなくなることはあるが,どちらが悪いに関わらず,関係がこじれた時に負けるのは必ず学生の方だ。もっとたくさんの人から総合的な評価をもらえるような制度が必要だと思う。また,学生が教官を評価する機会は全くない。学生無しでは教官も困るのは当然であるのに,学生は教官を評価する機会を全く与えられない。学生は非常に弱い立場に置かれている。

・実験スペースが充分でない。待遇に不都合を感じることがある。(例えば、雑用に使われるなど。)

・大学院生の学会旅費は校費で出せるようにして欲しい

・日本育英会の奨学金について、貸与なのだから枠を増やして、できれば希望者すべてがうけいれられるようにして欲しい。

・現在の場所では学生の過密といった問題はないが、人を雇えるようなポストがないのと期限があるため逆に人が集まらず充分なアクティビティを保てるような研究体制ができていない。学生が少なく、交流も少ないため研究室に閉じこもりがちで少なくない人が精神的に閉塞しているように思える。

・大学院生に授業料を払わすのはきついと思う。みんなに給料をあげてもいいくらいです。

・基礎研究の重要性についての世間の理解が不足していると思う。直接利益になる研究ばかりに注目する風潮があるように思う。もっと世間に基礎研究の重要性を理解してもらえれば、若い研究者に対しての待遇が改善されると思う。

・将来の社会的展望があまりに見えない。修士取得者に対しては一般企業も受け入れるから現状ではあまり問題がない。しかし、博士号を取得した者に対する受け皿がない。博士号を取得する者はより専門的な教育を受けるのだから、社会はその人材を利用すべきである。大学への就職だけが博士号取得者の専門性を発揮できる道であるという現状もおかしい。もっと、実社会が社会の諸問題を解決するために博士号取得者を利用することが望ましいと思う。

・院生なので研究費よりも生活費が大変です。育英会や学振のわくをもっと広げていただきたい。現在はオーバードクターですので奨学金もありませんし非常に苦しいです。

・大学院重点化政策はよしとしても、今後増加するであろう博士号取得者の受け入れ先について何も考えられていないような気がする。

・院生を増やしても、その後の受け入れ先がまだ少ないような気がする

・研究をサポートする業務(秘書、技官)にもっと予算をつけるべき