平成24年度(2012年度)選考結果について
2012年6月13日掲載
社団法人 日本動物学会会員各位

平成24年度成茂動物科学振興賞選考委員会は5月9日(水)動物学会事務局で選考委員会を開催し、慎重な審議の結果、5件の応募から、秋山-小田 康子会員に平成24年度成茂動物科学振興賞を授与することを決いたしました。併せて、選考理由を添付いたします。

秋山-小田 康子 生命誌研究館
受賞タイトル オオヒメグモの体軸形成の研究


社団法人日本動物学会
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秋山-小田 康子さんの成茂動物科学振興賞の受賞理由

秋山-小田さんは、大学院時代はショウジョウバエでgcm(glial cell missing)遺伝子の機能解析を行っていたが、ショウジョウバエでは飽き足らず、学位取得後は新たなモデル節足動物を自らの手で立ち上げることを始めた。そして、オオヒメグモを実験室で繁殖させることに成功し、オオヒメグモを用いた発生研究を開始した。さらに、顕微注入を用いたRNA干渉法の確立に成功したことで、オオヒメグモの発生機構を遺伝子レベルで解析することを可能にし、体軸形成の仕組みを調べ始めた。
その結果、オオヒメグモの体軸形成メカニズムが、ショウジョウバエと似たような役者を使いながらも大きく異なっていることを明らかにした。具体的には、50年前からクモ胚の体軸形成に関わるとされていたクルムスが、@背側誘導因子であるDppを発現している細胞の集団であり、Aこの細胞が球形をした卵の極から赤道へ移動することによって、放射相称性か破壊され、左右相称性が確立されることを見出した。また、オオヒメグモでは(1) Hedgehogが頭尾軸形成の主役として働くこと、(2) さらにHedgehog制御とDpp発現細胞の移動が協調することで頭尾軸・左右軸が作られていくことを明かにした。実験系を立ち上げるところからはじめたこれらのオリジナリティの高い研究は、今後のさらなる進展が期待され、成茂動物科学振興賞にふさわしいものである。

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