筑波大学生物科学系 大会準備委員長 高橋三保子
2005年10月6-8日、日本動物学会第76回大会はここ「つくば」で開催されます。30数年前の「つくば」をご存知の方は、研究所と宿舎の建物だけが目立ち、人々の生活の匂いを全く感じさせない村だったことを思い起こされることでしょう。民間を含め155の研究所を抱える学園都市は人々の暮らしも落ち着いた科学と自然の調和の良い街になってまいりました。動物学会が開催される2005年は、「つくば」にとっても記念するべき年です。今夏、ITのセンター秋葉原と科学のセンター「つくば」とを結ぶつくばエクスプレス(TX)が開通しました。車内で無線LANが使用可能、全線踏切なし、ATO(自動列車運転システム)完備のこのTXは、みなさまにとっても「つくば」を近い街にすることと思います。とはいえ、すぐそばに歴史的な建物があるとか、名物の食べ物があるとか、そのようなことはありません。関東平野を見渡せる筑波山と研究学園都市であることとが特色であることには変わりがありません。
「つくば」での大会開催をお引き受けしてから、参加者の皆様が充実した時を過ごしていただけるよう、準備委員一同努力して参りました。会場は、「つくば」のほぼ中央に位置する国際会議場です。昨年、神戸大会で始まった市民向けポスター展示発表の企画も受け継ぎ、「動物学ひろば」として8・9日の2日間、開催することにいたしました。この企画は、例年、延べ10,000人の小中学生、市民が参加している「つくば科学フェスティバル」と共催で行われます。動物学の今を伝え、未来の科学者たちに直接語りかける絶好の機会です。どうぞ、国際会議場に隣接する会場にも足をお運び下さい。
「つくば」は科学の情報発信基地としてスタートいたしました。つくば大会でも、多くのインパクトのある発表がなされることと思います。印象に残る大会、研究の転機・発展の芽を育む大会であることを願っております。どうぞみなさま、お一人でも多くご参加くださいますよう、「つくば」はお待ち申し上げております。
|