第83回(大阪)大会後記
 
第83回大会実行委員長
大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻 西田 宏記
 

  公益社団法人日本動物学会第83回大会は、2012年9月13日(木)から15日(土)までの3日間、大阪大学豊中キャンパスを会場として開催されました。大会前日に行われたプレスリリースには、朝日新聞社と日経新聞社が参加しました。会長・副会長を中心に、今大会の特徴や注目すべき研究成果などについて情報を提供いたしました。朝日新聞には開催期間中に、クマゼミ大発生に関する記事が出ていました。

  会期中の総会で最終的に公益社団法人化が採択されたわけですが、総会には(雷と土砂降りの影響か、かってないくらいの多数の)400人近い方が出席され、委任状と合わせて1300人を充分クリアーできました。これからは、公益社団法人としての動物学会の発展を祈念しております。動物学会は、その内容からして、市民に一番近い学会なのではないかと思います。

 
 今回は、一般発表534演題(12会場)、シンポジウム68演題(本部企画を含めて14会場)、関連集会39演題(10会場)、学会賞などの受賞者講演6演題、高校生ポス ター41演題、動物学ひろば16企画、合計で700を超える発表が行われたことになります。特に、シンポジウム、関連集会、高校生ポスター、動物学ひろばに関しては、過去3年間の最高の数値となり、開催側としてはうれしい限りでした。参加者数は、最終的には、1079名(一般会員581名、学生会員337名、学部学生125名、非会員36名)となり、これに高校生ポスター発表に参加した高校生143名と教員33名が加わり、大変活発な大会となりました。懇親会にも400名の方がお越しになっていました。この他に、一般公開企画のひとつとして阪大の博物館で開催した「動物学ひろば」には、老若男女を含む一般市民627名に訪れていただき大盛況となりました。また、大学会館で行った公開講演会には157名の参加がありました。

  今回、一般発表はすべて口頭発表としました。皆さん、懐かしいタイプの(古き良き時代から続く)学会形式を楽しんでいただけたでしょうか。口頭発表にすると、敷居が少し高くなるらしく発表者の数は減る傾向にあるようです。それでも、私自身は、PIのまとまった素晴らしい口頭発表をシンポジウムで聞き続けるよりは、学生の方も口頭発表し晴れ舞台に立てる機会が重要だと思いますし、質疑応答も楽しんでやれるような気がしています。口頭発表形式とポスター+シンポジウム形式には、どちらも一長一短があります。動物学会のひとつの特徴は、いまだに時々口頭発表形式を続けているところにあるのかも知れません。実は、経費節約のために大学のキャンパスで学会を行うと、口頭発表の方がやりやすいということが、実際の現実的側面から見た理由です。ちなみに、来年の岡山大会も口頭発表形式になるのではないかとのお話を伺っています。

  最後に、大会に参加し、積極的に発表や討論をしていただいた会員の皆様に改めて感謝を申し上げます。2000人ちかくが集まるイベントの開催は簡単ではありません。特に、動物学会には付随している様々なイベントが設けられています。2年前から始まった大会の準備から運営、完遂まで献身的に関わっていただいた実行委員の皆様、大会当日にしっかりと業務をこなしてくれた生物関係の学生バイトの皆様、会計関係から当日受付までをハードにこなしていただいた事務局の皆様、協賛金や企業展示などでご協力をいただいた企業の皆様にもお礼を申し上げます。特に、関西一円から集まったメンバーで構成されていた実行委員会のチームワークに支えられ、大阪大会を無事に終えることができたと思っております。感謝いたします。ありがとうございました。来年、岡山で(再来年は多分、仙台で)また会員の皆様にお会いできることを楽しみにしております。




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