公益社団法人日本動物学会
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第86回大会後記
第86回大会実行委員長
新潟大学自然科学系(理学部) 濱口 哲


公益社団法人日本動物学会第86回大会は、朱鷺メッセ:新潟コンベンションセンターを会場として2015年9月17日(木)〜19日(土)の会期で開催されました。900名近くの大会参加者の他、高校生と引率の先生方120名あまり、また、動物学ひろば・公開講演会にも大勢の来場者を得ることができました。参加いただいた皆さまに心からお礼申し上げます。

大会では、口頭発表509演題、高校生ポスター34演題、シンポジウム73演題(本部企画を含め14企画)、関連集会17演題(3企画)、公開講演会5演題など多数の発表が行われました。会場での実り多い議論に加え、参加した高校生たちも大会参加者から多くの励ましを得たものと思っています。

今回の大会では、いくつかこれまでとは違った試みを行いました。
その1つはプログラム編成で、従来は分野別構成だったものを動物グループ別配置としました。今日、多くの分野別学会が組織されていることを考え、動物学会大会は、動物そのものに関する幅広い理解に基づく議論の場としたいという動機からでした。その評価はそれぞれのお考えにより分かれるとは思いますが、動物学会の特性を表に出した、1つのあり方の試行であると思っています。
2つめは、WEB要旨システムも整備されたこともあって、従来の印刷体の要旨集を廃して、プログラムと索引などだけをプログラム集として印刷しました。会場でのネットアクセスの問題が生じる可能性も危惧されたのですが、この点についてはおおむね順調だったと思っています。学会のWEB要旨システムを裏で支えた学会IT委員会の方々の精力的なご努力に感謝したいと思います。

新潟で大会をお世話するのは四半世紀ぶりのことでした。前回はすべて紙の世界であったものが、今回は殆どがPC作業になり、隔世の感を禁じ得ません。ただ、その中で、若い参加者もそれぞれが入力するシステムなのでやむを得ないのですが、演題の間違い、材料と学名の不一致、学名の誤記、共著者の所属の扱いなど、初歩的ミスが散見されたのは残念なことでした。そろそろ彼岸への橋を渡る時期が近づいた身として、指導の立場にある方々が、そのような点にもさらなる目配りをいただければと思いました。些細なことではありますが、文化伝承の観点で、意外に重要なことかもしれないと思っています。

関東支部の窪川支部長、沓掛磨也子さん、若林憲一さんの誠実なご助力をいただき、現地スタッフ6人という弱小な体制でも何とか大会を準備することができました。アド・メディック(新宣)の東海林さんには映像器機管理を含めきめ細かい運営支援を頂きました。また、10件の方にご利用頂いた保育室も順調に運用できたと思っています。さらに、当日の運営に、新潟大学の非学会員の先生方のご協力をいただいたことも、ここに記して感謝申し上げたいと思います。

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