Marine Invertebrates-Gold Mine of the Information on Life Sciences VIII-Utilization and Impact of Light.
谷口 俊介(筑波大・下田臨海)
Shunsuke YAGUCHI(Shimoda Marine Research Center, University of Tsukuba)
シンポジウムの趣旨
海産無脊椎動物を用いた研究は、分類、生殖、発生、細胞、進化、形態、生理等幅広い分野で展開されている。しかしながら、ゲノム情報の収集不足や、ライフサイクルの長さから遺伝学の適用外と見なされ、展開の早い現在の生物学の潮流に乗り遅れている感も拭えない。一方、実際に個々の研究に目を向けると、自然相手という難しい条件にも関わらず、長い時間をかけて着実な成果を積み上げている研究も多く存在する。よって、本シンポジウムはその内容を内外へ発信し議論を深め、研究分野の普及と海産無脊椎動物を利用した研究の今後の展開を魅力あるものにすることを目的とする。本シンポジウムは2013年岡山大会にて第1回目が開かれており、その継続として今回で8回目として企画する。山形大会では、外的環境要因の代表格である光との関係性に着目し、海産無脊椎動物が光を利用したり光に影響されたりする面を科学的に解析している研究者に講演をお願いし、外的環境に適応しながら進化を遂げてきた海産無脊椎動物とその研究分野の展望を議論する。
1. 高橋俊一(琉球大・熱帯生物圏研究センター)
サンゴの緑色蛍光による共生藻の誘引
Attraction of symbiotic algae by green fluorescence in corals
2. 竹田典代(広島大・院統合生命)、彦坂暁(広島大・院統合生命)、出口竜作(宮教大・生物)
エダアシクラゲの明タイプと暗タイプ
Light- and dark-type medusae of the hydrozoan Cladonema pacificum
3. 別所-上原 学(名古屋大・高等研究院、名古屋大・理学研究科)
海産無脊椎動物は生物発光研究のフロンティア
Marine invertebrates as a frontier of bioluminescence research
4. 山下高廣(京大・院理)
眼と脳で「みる」光受容タンパク質オプシンの多様性
Diversity of photoreceptive protein opsins in the retina and brain
5. 谷口順子(筑波大・下田臨海)、谷口俊介(筑波大・下田臨海)
ウニ幼生の光受容とその神経伝達経路から新規の生命現象を探る
Explore novel life phenomenon by elucidating photoreception and its neural pathway in sea urchin larvae