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本ページからの情報発信は遅れることがありますのでご注意ください。


 ■ 令和7年(2025年)
 日本動物学会関東支部第77回大会のおしらせ


主催:日本動物学会関東支部会
共催:ERATO深津共生進化機構プロジェクト 学術変革領域(A)共進化表現型創発
 
●日時・会場等
日時:2025年3月15日(土)9:30 ~16:00
会場:産業技術総合研究所共用講堂
(産業技術総合研究所つくばセンター:〒305-8561茨城県つくば市東1-1-1)
https://www.aist.go.jp/aist_j/guidemap/tsukuba/center/tsukuba_map_c.html
会場アクセス:
つくばエクスプレスつくば駅または常磐線荒川沖から路線バスで「並木二丁目」下車、徒歩5分
東京駅八重洲南口から「筑波大学/つくばセンター行」高速バスで「並木二丁目」下車、徒歩5分
参加費:無料
 
●参加申込先・締切
以下の申し込みサイトから登録ください(発表者の登録締切:2月14日)
一般: https://forms.office.com/r/NMZqvqGUjy
高校生以下: https://forms.office.com/r/i00pEq7BNY
 
※一般演題の場合には、発表者に日本動物学会 関東支部会員が1名以上含まれている必要があります。高校生以下の発表の場合はこの限りではありません。
※参加者は当日受付も可能ですが、できる限り事前登録をお願いします。
※公開シンポジウムのみに参加される場合も必ず参加申込をお願いします。
※申込サイトでは、ポスター発表に関して、「発表あり」か「発表なし」を選べます。「発表あり」を選んだ方は次のページで、発表区分、演題タイトル、要旨(500字以内)の入力が必要です。事前のご準備をお願いします。
 
●発表者の方へ
※一般発表、高校生発表とも、すべてポスター発表となります。別添の【ポスター発表の注意点】をよく読んでポスター作成・発表をお願いします。
※高校生発表とは、原則、高校生が第一著者となる発表ですが、今大会では小中学生の発表も認めることにします。
※学部生、大学院生、ポスドクを第一著者とする一般演題は「ポスター賞」の審査対象とします(演題数などの状況によっては、取り止める可能性があります)。「ポスター賞」の審査を受けることを希望される方は、申込サイトの該当欄の「希望する」にマークして下さい。「希望しない」にマークした演題は審査対象になりませんのでご注意下さい。
※高校生発表は、遠方からお越しいただく可能性を考え、前半のポスターセッションで実施します。前半のポスターセッション終了後、発表者に修了証をお渡しします。
 【ポスター発表の注意点】
 ●大会プログラム
9:00- 受付開始
9:30- 開会の挨拶[日本動物学会関東支部会長:田中 幹子(東京科学大学)]
 
第一部(9:30-11:30)
公開シンポジウム:動物の行動、生殖、発生にみる延長された表現型 
S-1. 佐藤拓哉(京都大)
寄生虫ハリガネムシによる行動操作の仕組みと自然生態系での役割
S-2. 春本敏之(京都大/産総研)
昆虫の性を操る微生物たち
S-3. 丹羽隆介(筑波大)
寄生蜂の寄生戦略の分子メカニズムと進化
S-4. 森山実(産総研)
カメムシの保護色形成を支える腸内共生細菌
 
総会(11:30-12:00)
※日本動物学会・関東支部会員のみに参加資格があります。非会員の方は、総会中は会場から退出いただきます。
 
昼休み(12:00-13:00) 
※会場近くにレストランやコンビニはありません。参加登録のFormsでお弁当を予約するか(1000円の予定、当日受付で支払い)、ご自身で昼食を持参ください。
 
第二部(13:00-16:00)
ポスターセッション(一般会員、高校生以下)
※13:00までに発表者はポスターを掲示してください。
13:00-14:15 前半ポスターセッション
14:15-14:30 高校生演題「修了証」手渡し
14:30-15:45 後半ポスターセッション
15: 45-16:00 ポスター優秀発表賞表彰式(予定)および閉会の挨拶[日本動物学会関東支部会長:田中 幹子(東京科学大学)]
 
本大会の最新情報は、日本動物学会のウェブサイト(https://www.zoology.or.jp/news/kanto-branch-77)およびFacebook(https://www.facebook.com/zsjkanto)を通じてお知らせします。
 
●大会実行委員(○は委員長)
○深津 武馬(産総研・生物プロセス)
沓掛 磨也子(産総研・細胞分子工学)
二橋 亮(産総研・生物プロセス)
 
●問い合わせ先:
日本動物学会関東支部第77回大会事務局 <M-ZSJkanto77-ml@aist.go.jp>
●公開シンポジウム「動物の行動、生殖、発生にみる延長された表現型」要旨
S-1. 佐藤拓哉(京都大)
「寄生虫ハリガネムシによる行動操作の仕組みと自然生態系での役割」
今日地球上に生息する生物種の約40%は寄生生物であり、すべての野生動物は少なくとも一種の寄生生物に寄生されていると言われている。それら寄生生物の中には、自らの利益(感染率向上)のために、宿主個体の行動を改変―行動操作―する種がいる。行動操作は、どのような仕組みで達成され、自然生態系においてどのような意味をもつのだろうか?
 ハリガネムシ類は、森林や草原で暮らす宿主(カマキリや直翅類等)の体内で成虫になると、自らが繁殖をする水辺に戻るために、宿主を操って入水させてしまう。この行動操作については、100年以上も前から知られていたが、その仕組みは謎に包まれていた。我々は近年、ハリガネムシに感染したカマキリでは、水面からの反射光に多く含まれる水平偏光への正の走性が高まり、入水行動に至ることを発見した。また、ハリガネムシが進化の過程で、宿主からの大規模な遺伝子水平伝播を受けており、それが行動改変に関与している可能性が明らかになってきた。本発表では、こうした行動操作の機構とその背景にあるゲノム進化について紹介し、さらに自然生態系のエネルギー流改変という知られざる役割について説明する。
 
S-2. 春本敏之(京都大/産総研)
「昆虫の性を操る微生物たち」
地球上に生息する昆虫のおよそ半数には、何らかの微生物が共生しているといわれています。これらの共生微生物は、宿主である昆虫の生存に必須な栄養素を供給したり、天敵に対する抵抗性を付与したりすることで、地球における昆虫の繁栄を下支えしてきました。一方で、共生微生物のなかには、宿主昆虫の生殖を勝手に操ることで、自身の感染拡大を図る利己的なものも存在します。ボルバキアやスピロプラズマといった共生細菌がその例です。
 このような生殖操作現象のひとつに、オス殺しがあります。これは読んで字のごとく、共生微生物に感染したメス親が生む子のうち、オスだけが殺されてしまう現象です。私はこれまで、オス殺しがどうやって起きるのか、その仕組みを分子のレベルで追究してきました。本講演では、まず、共生細菌スピロプラズマによるショウジョウバエのオス殺しに着目し、その分子機構を概説します。次に、近年発見された、共生ウイルスによるオス殺しに話題を移し、私が現在取り組んでいる研究の一端をご紹介します。これらを通して、微生物が昆虫に引き起こす不思議な現象と、その背景にある壮大な分子の世界をお楽しみいただければと思います。
 
 
 S-3. 丹羽隆介(筑波大)
「寄生蜂の寄生戦略の分子メカニズムと進化」
ハチ目昆虫である寄生蜂は、175万種とされる現生生物の種数の中でも20〜30万種を占めるとも推計され、多様性において地球上で最も繁栄した生物群の一つである。寄生蜂の繁栄を支える基盤は、宿主の発生や免疫、さらには行動をも巧みに操作する毒であるが、その作用の分子メカニズムの研究は未だ立ち後れている。
我々は、遺伝学に優れたDrosophila属ショウジョウバエと、これを宿主(寄主)とするAsobara属寄生蜂を用いて、寄生に必要な毒成分の同定と機能解明を目指している。我々はこれまでに、ショウジョウバエの予定成虫組織を特異的に縮退させることで宿主発生阻害に寄与する毒タンパク質を同定し、寄生蜂毒のもたらす宿主の発生操作のまったく新しいメカニズムを報告した(Kamiyama et al. Science Adv. 2025)。さらに現在は、Asobara属寄生蜂の感染に伴う宿主免疫応答とその種特異性、そしてこれらに影響を与える毒の作用の研究を進めている。
本発表では、比較ゲノム解析、マルチオミクス解析、および分子遺伝学的手法を用いた研究から見えてきた毒が支える寄生戦略を紹介する。
 
S-4. 森山実(産総研)
「カメムシの保護色形成を支える腸内共生細菌」
動物の体色は環境への適応に関わる重要な形質である。とりわけ、多様な環境へ適応し、驚異の多様性を誇る昆虫類においては、様々な色素や発色機構を用いた体色形成の仕組みをもつことが知られており、昆虫の多様化を推し進める重要な要素となっている。
 最近、私たちは、昆虫の生まれ持った形質だと考えられていた体色が、実は体内に生息する共生細菌に依存しているという興味深い事例を発見した。チャバネアオカメムシは、その名の通り、保護色となる緑の体色をもつ昆虫である。このカメムシは消化管の一部に特殊な構造を備え、その内部に自身の生存に必須な特定の腸内共生細菌を維持している。この共生細菌は母から子へと毎世代引き継がれ、宿主カメムシと共に進化の歴史を歩んできたと考えられる。この共生細菌を実験的に除くと、本来の緑色の体色が失われ薄茶色のカメムシになってしまうことから、共生細菌がカメムシの緑体色形成において必須機能を担っていることが明らかとなった。本発表では、どのような機構で共生細菌が宿主昆虫の体色形成を支えているかについて、また体色の進化における共生細菌の役割について、最近明らかにした知見について紹介したい。
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