2009年度第3回理事会議事録

日時 平成21年6月13日(土)13:00〜17:00
場所 東京国際フォーラム会議室 G608

大島庶務理事より、出席者20名(総数20名;ZS編集主幹はオブザーバーとして出席)で定足数を満たしていることが報告され、佐藤会長により開会宣言が行なわれた。佐藤会長が議長を務め、議事録署名人として大島庶務幹事、上村会計幹事が推薦され了承された。

I.報告事項

1.会長報告
佐藤会長より、安増基金が終了したこと(今までの受給者一覧を配布)、静岡大会での学生会員発表者に2千円を補助する件がメール理事会で了承されたこと、成茂さん側と成茂基金について意見交換をしたこと等が報告された。

2.庶務幹事報告
大島庶務幹事より、来年度の会長選挙と支部委員等選挙に向けて電子投票の準備を進めていること、ZS冊子体送付に関するアンケートを実施しているが、現在まで299部の送付希望があること、平成24年度の第83回大会は近畿支部担当であること、静岡大会の初日17日に、男女共同参画委員会主催の公開関連集会「ようこそ後輩-独立した魅力ある研究者になるために-」が開催予定であることが報告された。

3.会計幹事報告
上村会計幹事より、平成21年度科研費補助金・研究成果公開促進費Bに中部支部の企画が採択されたこと(交付額150万円)、Zoological Science印刷出版費補助金として590万円、データベース用補助金として80万円(5年間継続)の内定通知があったこと、国立情報学研究所からZSのダウンロード費用として58万円が返還されたこと、ZSの投稿費や別刷り代金のweb決済が7月から可能になること等が報告された。

4.Zoological Science編集主幹報告
岡編集主幹より、2008・2009年度のZS刊行状況、各巻の頁数や掲載論文数、掲載原著論文の分野別内訳、国別投稿数・採択数などに大きな変化がないことが、資料に基づき報告された。投稿論文の採否決定までの日数が2ヵ月以内で、さらに短縮傾向であること、採択率は50%以下とジャーナルの質も維持されていること、本年度から2万円の掲載料をもらうことになったが投稿数が減少していないこと、今後も査読協力者の氏名と査読数の公開、謝意の表明を行うこと等も併せて報告された。

5.UniBio Press からの購読料返還について
永井事務局長から、今年度は昨年度に比べ50万円程度減少したが、これは円高の影響に加え、BioOneの購読料返還モデルの変更によるもので、2010年度に2009年度分も戻る予定であることが説明された。

6.平成21年度第80回大会について
田中中部支部長(準備委員長)より、平成21年度第80回大会が9月17日(木)〜19日(土)にグランシップ(最寄駅は東静岡)において開催されるが、シンポジウム12、本部企画1、関連集会5、一般演題575、企業展示4の予定であること等が説明された。

7.平成22年度第81回大会について
岡編集主幹(オブザーバー;大会準備委員長)より、平成22年9月23日(木)〜25日(土)に東京大学駒場キャンパスにおいて第81回大会を開催予定であり、一般発表はオーラルのみであること、「動物学ひろば」も3日間の会期中に行なうこと等が報告された。

8.近畿支部より
尾崎近畿支部委員長より、近畿支部編集の『生きものなんでも相談』を100冊(原価500円)、学会本部に買い取ってもらったことが報告された。

 
II.審議事項

第1号議案 平成21年度 動物学会女性研究者奨励OM賞について
武田学会賞等選考委員会委員長より、4月30日の選考委員会において、7名の応募者の中から以下の2名が受賞候補者として推薦されたことが選考経過の説明と共に報告され、審議の結果全会一致で承認された。
 吉川朋子・北海道大学大学院医学研究科・特任助教
  「卵巣に存在する概日時計の生理的役割の解明」
藤田 愛・独立行政法人農業生物資源研究所・特任研究員
「シロアリ類におけるセルラ−ゼ生産部位の進化と共生微生物の変化」

第2号議案 平成21年度日本動物学会奨励賞について
武田学会賞等選考委員会委員長より、選考の結果、2名の応募者の中から以下の1名が受賞候補者として推薦されたことが選考経過の説明と共に報告され、審議の結果全会一致で承認された。
 浮穴和義・広島大学大学院総合科学研究科・准教授
「系統発生学的見地からの神経ペプチドの同定と生理機能解析」

第3号議案 平成21年度日本動物学会賞について
武田学会賞等選考委員会委員長より、選考の結果、4名の応募者の中から以下の1名が受賞候補者として推薦されたことが選考経過の説明と共に報告され、審議の結果全会一致で承認された。
 寺北明久・大阪市立大学大学院理学研究科・教授
「ロドプシン類と光情報伝達系の多様性・進化に関わる分子生理学的研究」
       
なお,4〜9月開催学会に対応した江上基金の授与者についてはすでにメールにて評議員の承認を得ているが,改めて以下の授与者の確認を行った。
湯山 育子 (東京大学大学院理学系研究科、D3)
児玉 有紀 (山口大学大学院理工学研究科、学振PD)

第4号議案 論文賞 Zoological Science Award 2009 ならびに藤井賞について
岡Zoological Science編集主幹より、2008年Zoological Scienceに掲載されたすべての論文の中から、以下の6件が受賞候補として推薦されたことが選考経過の説明と共に報告され、審議の結果全会一致で承認された。なお、以上の論文には藤井賞も併せ贈呈される(各論文5万円)。

1) T. F. Shibata, A. Sato, T. Oji, K. Akasaka : Development and growth of the feather star Oxycomanthus japonicus to sexual maturity.
ZOOLOGICAL SCIENCE 25: 1075-1083 (2008)
2) K. Seki, A. Wiwegweaw, T. Asami: Fluorescent pigment distinguishes between sibling snail species.
ZOOLOGICAL SCIENCE 25: 1212-1219 (2008)
3) N. Ymamaguchi, E. Hiraoka, M. Fujita, N. Hijikata, M. Ueta, K. Takagi, S. Konnno, M. Okuyama, Y. Watanabe, Y. Osa, E. Morishita, K. Tokita, K. Umada, G. Fujita, H. Higuchi: Sprong migration routes of mallards (Anas platyrhynchos) that winter in Japan, determined from satellite telemetry.
ZOOLOGICAL SCIENCE 25: 875-881 (2008)
4) S. Furukuma, T. Onuma, P. Swanson, Q. Luo, N. Koide, H. Okada, A. Urano, H. Ando: Stimulatory effects of insulin-like growth factor-1 on expression of gonadotropin subunit genes and release of follicle-stimulating hormone and luteinizing hormone in masu salmon pituitary cells early in gametogenesis.
ZOOLOGICAL SCIENCE 25: 88–98 (2008)
5) T. Sato, A. Suzuki, N. Shibata, M. Sakaizumi, S. Hamaguchi: The novel mutant scl of the medaka fish, Oryzias latipes, shows no secondary sex characters.
ZOOLOGICAL SCIENCE 25:299-306(2008)
6) M.H. Dick: Unexpectedly high diversity of monoporella.
ZOOLOGICAL SCIENCE 25:36-52(2008)

第5号議案 新入会員の承認
本年度新しく入会手続き行った217名の入会を,定款に基づき承認した(資料回覧)。

第6号議案 東北支部公開シンポジウムへの補助について
東北支部より、公開シンポジウム「親子で楽しむ動物学10」の経費の一部として、動物学会本部に5万円の補助のお願いがあった。審議の結果、上限10万円までを補助することが認められた。

第6号議案 平成21年度補正予算案について
科学研究費補助金等の収入が増えたことを受けて補正予算案が提案され、承認された。

第7号議案 ダーウィン シンポジウムの共催について
佐藤会長より、日本学術会議「進化分化会」のダーウィン シンポジウム企画を日本進化学会が受け皿として進めているが、本会も共催団体となること、会場(安田講堂)の賃貸料の一部として川口基金から10万円を支出することが提案され、了承された。

第8号議案 感謝状贈呈について
1件の推薦があったが、感謝状贈呈は見送ることにした。なお今後、将来計画担当理事が、教育功労賞的な賞の新設について検討することとした。

第9号議案 会長選挙管理委員会規程について
田村将来計画担当理事より、会長選挙管理委員会規程案が示され、意見交換を行った。出された意見を考慮して修正を加え、次回理事会で継続審議することとなった。

第10号議案 生物科学ニュースの今後について
植木広報担当理事から、生物科学ニュースの印刷をやめたことに関連して、動物学会では従来の生物科学ニュースA判を発展的継続としたいこと、すなわち、会員向け広報誌(書評およびトピックス中心)へと模様替えし、季刊発行として、会員には印刷物を配布(他の重要郵便物と同封)すること、月間発行メールマガジンのメール配信、一般向け解説記事をホームページのトッピックス欄に掲載すること、ホームページのデザイン刷新を順次行うこと等が提案され了承された。なお、必要に応じて広報支援職員の委託も検討する。さらに、ZS発行時にはダイレクトメールで通知することが要望として出された。

第11号議案 学生会費等の値下げについて
佐藤会長より、学生が本会に参加し活動しやすいように来年度から学生会費を支部会費込みで3000円(ZS冊子体は送らない)に、小・中・高教員の会費を支部会費込みで2000円に値下げすることが提案された。他学会の会費も調べて、次回理事会で継続審議することとなった。
 なお、今年度の大会に限り、定職をもたない学会員の発表者には、学生会員同様、学会本部が2000円キックバックすることが了承された。

第12号議案 学会賞等の公募における問題点の検討
今年度の奨励賞応募者が少なかったことを受けて、武田学会賞等選考委員会委員長から、奨励賞の規程に、「若手研究者(年齢、身分を問わない)」と( )内の文言を入れる、広報の方法、自薦の推奨、別刷りのPDFでの代替、連続で応募する場合、別刷りの最提出を不要とする、等について検討が必要であるとの指摘がなされた。武田委員長が検討すべき点をまとめて、メール会議に諮ることになった。

第13号議案 江上基金等の助成事業の見直しと「成茂動物科学基金奨励賞」の創設について
佐藤会長より、「江上基金」「川口基金」をそれぞれ「日本動物学会江上信雄賞」「日本動物学会川口四郎賞」として、今までの若手研究者の国際会議派遣事業に加え、関連する分野でオリジナリティーの高い研究を行っている研究者の表彰(毎年1名)も行ってはどうかという案が出され、継続審議することとなった。さらに「成茂動物科学基金奨励賞」に該当する会員1 名を、動物学会から成茂動物科学振興基金に推薦することが了承された。これらの賞の選考をどうするかも、継続で審議される。
 
第14号議案 「動物学とは何か-日本動物学会賞70年の軌跡」電子出版について
小泉図書担当理事より、動物学会賞の70周年を契機に、受賞研究の要旨をまとめる作業を行うことが提案され、本会のHPに掲載の方向で作成することが承認された。

第15号議案 静岡大会企業展示の訪問者増加のための具体策について
佐藤会長、田中静岡大会準備委員長、永井事務局長で具体策を検討することになった。
                                         以上

定款30条の規定により,議長及び議事録署名人により以上の議事を認め署名する。

                            平成21年6月13日     
                               議長     佐藤 矩行
                               議事録署名人 大島 範子
                               議事録署名人 上村 慎治



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