2008年度第2回評議員会議事録
 
日時 平成20年6月7日(土)14:45〜16:45
場所 TKP 東京八重洲口第一会議室

 

大島庶務理事より,出席者32名(総数33名)で定款28条2項の規定により定足数を満たしていることが報告され,佐藤会長により開会宣言が行なわれた。八杉評議員が議長を務め,八杉議長が議事録署名人として大島庶務幹事,稲葉会計幹事を推薦し了承された。

I.報告事項

1.会長報告
佐藤会長より,本年度第2回理事会(3月15日開催)で承認されたとおり,国際生物学オリンピック委員会へ100万円の寄付をしたこと,『21世紀の動物科学』の執筆者への謝礼支払いの準備を進めていること等が報告された。


2.庶務幹事報告
大島庶務幹事より,会長選挙の投票日を6月23日〜7月7日(必着)とし,7月8日に開票作業を行なうことが報告された。さらに本年度第2回理事会の議事録の一部修正が報告了承された。


3.会計幹事報告
稲葉会計幹事より,平成20年度科研費補助金・研究成果公開促進費Bに東北支部の企画が採択され正式に交付通知があったこと,Zoological Science印刷出版費補助金として620万円の内定通知があったこと等が報告された。


4.Zoological Science編集主幹報告
岡編集主幹より,2007・2008年度のZS刊行状況,各巻の頁数や掲載論文数,掲載原著論文の分野別内訳,国別投稿数・採択数,などが資料に基づき報告された。投稿論文の採否決定までの日数が2ヵ月以内に短縮され,47%と適切な採択率になってきたこと,本年度はSpecial Issueの発行が予定されているので,すでに15編の総説が集まっていること,採択決定から印刷までは現在のところ3ヵ月であること,等も併せて報告された。


5.平成20年度第79回大会準備状況
横張大会準備委員長からの資料に基づき,九州支部長より,平成20年度第79回大会が9月5日(金)〜7日(日)の日程で福岡大学において開催されること,6月6日の締切時点で大会参加申込者は780名,演題数593であること,現在,広告8件,展示3件,賛助1件が確定しているが,今後ふえる可能性があること,大会日程の概要,等が報告された。


6.平成21年度第80回大会について
中部支部長より,平成21年度第80回大会(準備委員長は田中評議員)が9月17日(木)〜19日(土)にグランシップ(最寄駅は東静岡)において開催され,20日(日)には静岡市内で「動物学ひろば」を開催予定であること,等が報告された。


7.平成22年度第81回大会について
岡理事より,平成22年9月23日(木)〜25日(土)に東京大学駒場キャンパスにおいて,岡理事を大会準備委員長として第81回大会を開催予定であり,「動物学ひろば」は26日(日)に行なうこと,等が報告された。


8.委員会報告

男女共同参画担当理事報告
尾崎男女共同参画担当理事より,昨年度,男女共同参画学協会連絡会で実施した大規模アンケート調査結果の,文部科学省への報告書見本が回覧された。

 
広報担当理事報告
吉田広報担当理事より,現在支部ページを含めてホームページ全体の更新作業を行なっている,との報告がなされた。


動物学研究推進担当理事報告
蟻川理事より,福岡大会で以下の企画シンポジウムを行なうことが報告された。
1)総会前の本部企画シンポジウム。東大海洋研の西田睦先生と,東大農学部の森裕司先生にご講演いただく。
2)1日目の午前中に,さまざまなバイオリソースを紹介するシンポジウムを開催する。ポスター(現物)展示も行う。
3)3日目の午前中に,昨年度総会で名誉会員になられた先生方を囲んでお話をうかがう会を開催する。


 
9.臨海実験所の状況報告
稲葉理事が臨海臨湖実験所長会議幹事の立場から,臨海実験所の研究教育活動,臨海実験所の改組,現状の問題点,海洋陸水生物学教育研究連合の設立等について資料に基づき説明した。さらに,東京大学と筑波大学を中心とした海洋基礎生物学の共同推進機構JAMBIOを立ち上げ,平成21年度の概算要求をすることを報告し,本学会の理解と支援をよびかけた。
なお,佐藤会長から,日本学術会議動物科学分科会も臨海実験所長会議幹事との懇談を行ない,“海の生物”を使った研究のサポートをする方向であるとの説明がなされた。


10.UniBio Press報告
永井事務局長(UniBio Press CEO)から,UniBioが海外270大学で講読されていること,
UniBio参加6誌フルテキストダウンロード件数(月別),等が資料に基づき報告された。
UniBio Pressから本会に200万円が還元されたことも合わせ報告された。


11.平成21年度からの学会組織に関して
佐藤会長から,「昨年度の総会決定により平成21年度からは評議員会が廃止されるが,評議員には引続きいろいろな役割を担って頂くので,今年度行なわれる各支部での選挙において評議員の選出をお願いしたい」旨の発言があった。


II.審議事項

第1号議案 平成20年度日本動物学会賞について
窪川学会賞等選考委員会委員長より,選考の結果,5名の応募者の中から以下の2名が受賞候補者として推薦されたことが選考経過の説明と共に報告され,審議の結果全会一致で承認された。
 武田洋幸・東京大学大学院理学系研究科・教授
        「小型魚類を用いた脊椎動物発生機構の普遍的メカニズムの解明」
 竹井祥郎・東京大学海洋研究所・教授
        「海洋環境への浸透圧的適応に関わる新規ホルモンの探索」


第2号議案 平成20年度日本動物学会奨励賞について
窪川学会賞等選考委員会委員長より,選考の結果,8名の応募者の中から以下の2名が受賞候補者として推薦されたことが選考経過の説明と共に報告され,審議の結果全会一致で承認された。
 原田淑人・名古屋大学大学院理学系研究科附属臨海実験所・助教
        「原索動物の自家不稔機構に関する遺伝発生学的研究」
 本川雅治・京都大学総合博物館・助教
        「東アジア産哺乳類の分類学と動物地理学」


第3号議案 動物学会女性研究者支援OM賞について
窪川学会賞等選考委員会委員長より,選考の結果,8名の応募者の中から以下の3名が受賞候補者として推薦されたことが選考経過の説明と共に報告され,審議の結果全会一致で承認された。
 日下部りえ・神戸大学大学院理学研究科・プロジェクト奨励研究員
        「円口類ヤツメウナギを用いた骨格筋発生機構の進化に関する研究」
 前田美香・東北大学加齢医学研究所・教育研究支援者
        「ゼブラフィッシュ脊髄一次運動神経の細胞体を、周期的に配置する機構
        についての研究」
 笹川浩美・(財)国際振興財団研究開発部・研究員
        「ミツバチ類の社会性行動の発現・発達とその制御、および個体間コミュ
        ニケーションを司る行動解発因子に関する研究」


なお,4〜9月開催学会に対応した江上基金と安増基金の授与者についてはすでにメールにて評議員の承認を得ているが,改めて以下の授与者の確認を行った(応募者数は12名)。

江上基金:大久保範聡・基礎生物学研究所・助教
     岡田令子・埼玉大学理学部・日本学術振興会特別研究員

安増基金:竹内勇一・京都大学理学研究科・博士課程3年
     小瀧 学・広島大学大学院理学研究科・博士課程1年

 

第4号議案 論文賞 Zoological Science Award 2008 について
岡Zoological Science編集主幹より,2007年Zoological Scienceに掲載されたすべて
の論文の中から,

1) Developmental Biology
Makoto Urata, Nobuo Yamaguchi, Yasuhisa Henmi, and Kinya Yasui:Larval Development of the
Oriental Lancelet, Branchiostoma belcheri, in Laboratory Mass Culture.
ZOOLOGICAL SCIENCE 24: 787-797 (2007)

2) Taxonomy/Review
Hiroshi Kajihara: A Taxonomic Catalogue of Japanese Nemerteans (Phylum Nemertea).
ZOOLOGICAL SCIENCE 24: 287-326 (2007)

3) Genetics
Michio Hori, Haruki Ochi and Masanori Kohda: Inheritance Pattern of Lateral Dimorphism in Two
Cichlids (a Scale Eater, Perissodus microlepis, and an Herbivore, Neolamprologus moorii) in Lake Tanganyika.
ZOOLOGICAL SCIENCE 24: 486-492 (2007)

4) Neurobiology
Eriko Tsuji, Hitoshi Aonuma, Fumio Yokohari and Michiko Nishikawa: Serotonin-immunoreactive
Neurons in the Antennal Sensory System of the Brain in the Carpenter Ant, Camponotus japonicas. ZOOLOGICAL SCIENCE 24: 836–849 (2007)

の4件が受賞候補として推薦されたことが選考経過の説明と共に報告され,審議の結果全会一致で承認された。
 なお,以上の論文を対象に,藤井賞選考委員会(佐藤選考委員長、長濱,岡+2〜3名の委員)にて藤井賞の選考が行われるが,結果はメールで知らせることになった。


第5号議案 平成21−20年度日本動物学会会長候補者選出
本年度は定款第四章第16条および第20条に則り,会長選挙を行う年である。定款細則第二章第5条に則り,評議員の投票による会長候補者の選出を行い,次の7名がその候補者として推薦されることになった。


 阿形 清和(京都大学大学院理学研究科)
 岡 良隆(東京大学大学院理学系研究科)
 佐藤 矩行(京都大学大学院理学研究科)
 真行寺千佳子(東京大学大学院理学系研究科)
 長濱 嘉孝(自然科学研究機構・基礎生物学研究所)
 沼田 英治(大阪市立大学大学院理学研究科)
 道端 齊(広島大学大学院理学研究科)
 (アイウエオ順)


第6号議案 会長選挙管理委員会委員長の選出
会長選挙管理委員会委員長として,野中勝会員が推薦され承認された。本委員会委員の選出は委員長に委ねられる。

 
第7号議案 感謝状贈呈について
1件の推薦があったが慎重審議の結果、今回は結論を持ち越すことにした。なお,従来の“感謝状”と,“功労的な賞”のあり方を今後検討することとした。

 



第8号議案 世界動物学会議開催について
佐藤会長より,4年毎に開催される「世界動物学会議(本年は8月にフランスで開催)」のこれまでの経緯と,日本動物学会主催の可能性について打診があったことが説明された。予め理事・評議員の意見を伺った結果も踏まえ,次回ではなく2016年の開催を受け入れてはどうか,との会長提案がなされ了承された。

 
第9号議案 公益社団化について
佐藤会長から,「本会は基本的に公益社団化を目指す方向で検討を重ねたい」という意向が表明され,今後,臨時将来計画検討委員会(本部役員+支部長)等で議論することになった。永井事務局長からは,本会が公益社団化を目指す際の問題点等が指摘された。

 
第10号議案 学生会費の値下げについて
佐藤会長より、他の生物系の学会が学生会費を値下げしている状況下において,学生会員比率が高い本学会の特徴を維持するために学生会費値下げの方向で,具体的にどのくらい値下げできるか財政基盤全体の中で検討したい,との提案がなされ,了承された。

 
第11号議案 その他
(1)賞のあり方について
今後の動物学会女性研究者支援OM賞ならびに藤井賞のあり方(“賞の性格づけ”など)について,前者は検討委員会(阿形委員長)を設置して議論を行ない,後者については会長が原案を理事・評議員にメールで配信し,検討することになった。

(2)生物科学ニュースZ版掲載記事の版権について
生物科学ニュースZ版記事の転載希望が事務局に寄せられるようになったことを受け,今後は記事執筆者との間で,掲載記事の版権は学会にあることを確認する文書を交わすことになった。

(3)ZSの論文査読者の貢献評価等について
岡ZS編集主幹より,reviewerの貢献を学会として正当に評価すべきであり,氏名以外に,査読した論文数等も何らかの形で公表し,貢献度の高いreviewerにはその結果をPDFファイルでお渡しすると同時に学会大会総会時に主幹からお礼を述べる等の工夫をしたい,との提案がなされ,了承された。さらにZS25周年を記念して、トムソンロイターにZSの25年間のデータ分析をお願いし、福岡大会でその結果をパネル展示することが了承された。

 
                                         以上
 
定款30条の規定により,議長及び議事録署名人により以上の議事を認め署名する。
 
                            平成20年6月7日     

                               議  長     八杉 貞雄
                               議事録署名人 大島 範子
                               議事録署名人 稲葉 一男



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