平成28年度学会賞等選考委員会 (平成28年5月21日開催)
赤坂甲治、浅見崇比呂、飯田 弘、井口泰泉、倉谷 滋、富岡憲治、松島俊也
委員長 井口泰泉
平成28年度成茂動物科学振興賞
本賞の全5名の応募者は、選考規定にある「動物学の全分野でユニークな研究を展開する会員を振興賞の候補者とする」の条件を満たしており、高い水準での選考となった。応募者の研究内容、研究業績、将来の発展性について詳細に審議した結果、以下1名を理事会に推薦することとした。
越川滋行 (こしかわ しげゆき)
京都大学白眉センター・特定助教
研究テーマ「ミズタマショウジョウバエの模様形成機構と進化」
推薦理由 越川滋行会員はミズタマショウジョウバエにおいて、トランスポゾンを用いた遺伝子導入技術を開発、それを通じて新しい紋様という進化的新規形質の発現に特異的に機能すると覚しい新しいエンハンサーを同定、さらにそれを活性化するモルフォゲンの分布変化を示すことに成功した。これは表現型進化を駆動する遺伝子制御機構、分子レベルでの作用機序を同定する画期的な成果であり、本賞の受賞者として相応しいと判断した。