高梨琢磨(たかなし たくま)
国立研究開発法人、森林総合研究所、森林昆虫研究領域、主任研究員
『振動によるカミキリムシの行動制御機構と害虫防除への応用』
受賞理由
高梨琢磨氏は、動物の行動を感覚生理学から情報処理に至る広い視点で解析しています。とくに昆虫の振動感覚とその生物学的機能を解析した研究は秀逸です。マツの害虫であるマツノマダラカミキが低周波の振動によって、運動の停止や回避行動を示すことを実験的に明らかにし、害虫駆除のための新たなアイデアを提供しました。そのユニークさは傑出しており、また、これらの一連の研究は高梨氏独自のものであり、本賞の選考規程に定める「ユニークな研究」に非常によく合致するものとして成茂動物科学振興賞に日本動物学会として推挙するものです。