平成25年度(2013年度)日本動物学会女性研究者奨励OM賞

公益社団法人 日本動物学会
女性研究者奨励OM賞選考委員会 委員長 大島範子

女性研究者奨励OM賞は、「女性研究者による動物学発展への新たな試みを奨励することを目的としており、特に、安定した身分で研究を続けることが困難であるが、 強い意志と高い志を持って研究に意欲的に取り組もうとする優れた女性研究者」に贈られる。平成24年の日本動物学会の公益法人化に伴い、25年度からは動物科学を研究するすべての女性研究者を対象に公募が行われ、応募者は14名であった。しかし、その後、1名の応募取消があり、13名について選考を行った。
   平成 25年度の女性研究者奨励OM賞の授与候補者を選考する委員会は6名の選考委員(大島範子、真行寺千佳子、高久元、保智己、細谷浩史、松本緑)で構成された。まず各委員が応募者それぞれについて書面審査を行った上で、5月18日(土)、東京大学理学部2号館の会議室において選考委員全員が出席して選考委員会が開催された。OM賞の趣旨に基づき、優れた研究を推進しているか、安定した身分で研究を続けることが困難であるにもかかわらず強い意志と高い志を持って研究を継続しているか、等を詳細に審議した結果、以下の2名 の候補者を理事会に推薦することとした。

受賞者氏名・所属・職
湯山育子(ゆやまいくこ)・静岡大学 創造科学技術大学院・学術研究員(非常勤)
対象となった研究テーマ
「共生藻の違いがサンゴのストレス耐性に与える影響」

受賞者氏名・所属・職
倉林麻貴(くらばやしまき)・理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター・研究員(期限付)
対象となった研究テーマ
「カタユウレイボヤにおける生殖細胞分化関連遺伝子の機能解析」

   今回の応募者の研究内容はいずれも優れたものであり、申請書からはそれぞれの応募者の強い研究意欲を感じることができた。しかし、女性研究者奨励OM賞選考の重要なポイントである「安定した身分で研究を続けることが困難であるにもかかわらず強い意志と高い志を持って研究を継続している」かどうかについては、申請書から読み取りにくいケースがあったことが残念である。
   今回のOM賞授与候補者、湯山育子氏は、種々の困難に直面して女性が研究を継続することの難しさを実感し、しかも現在は非常勤の学術研究員という立場でありながらも、研究に対する情熱を失うことなく、継続して優れた研究業績をあげている点が高く評価された。また、もう1名の候補者、倉林麻貴氏は、一貫してホヤ類を材料に、新手法を積極的に取り入れて優れた研究業績をあげている。直面する困難はあっても研究への情熱、意欲、責任感を持ち続け、強い意気込みで研究継続のために努力している点が高く評価された。


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