本部企画シンポジウム

NS 2023年度山形大会 本部企画シンポジウム(ナリシゲシンポジウム)

昨日の動物学、明日の動物学:挑戦する中堅世代からのメッセージ
Zoology from yesterday to tomorrow: messages from mid-career researchers.  

日本動物学会本部(寺北明久・田村宏治・沓掛磨也子・神田真司)

The Headquarters of the Zoological Society of Japan (Akihisa Terakita, Koji Tamaura, Mayako Kutsukake, Shinji Kanda)

昨今、若手研究者へのサポート体制については、少しずつではあるが改善されつつあり、若手に限定した研究費支援もある程度行われている。一方で、若手を卒業した“中堅”研究者の活躍は、動物学の発展には必須であり、中堅世代を盛り上げることは、若手研究者の将来を照らすという点からも重要である。大隅良典博士(東京工業大学)が、昨年度の早稲田大会における本部企画シンポジウムにおいて、中堅研究者を支援する重要性について強調されたことは記憶に新しい。本シンポジウムでは、多様な動物学分野で挑戦的な研究を展開し、活躍されている5人の中堅研究者に進展中の研究をご紹介頂くとともに、過去から現在の展開を踏まえたメッセージを頂き、明日の動物科学を展望したい。

講演者

進藤麻子(熊本大学 発生医学研究所
アフリカツメガエルで見る細胞集団運動と形態形成
Collective cell movement during morphogenesis in Xenopus laevis

神田真司(東京大学 大気海洋研究所)
動物学研究が塗り変える明日の脳下垂体の常識
New perspectives on the pituitary revealed by basic science

木矢剛智(金沢大学理 工研究域)
ミツバチの訪花行動は植物によって操作されている?:ステロイドホルモンを介した新たな種間相互作用
Is honeybees’ flower visit manipulated by plants? Insights into a novel interspecific interaction mediated by steroid hormones

黒岩麻里(北海道大学 大学院理学研究院)
Y染色体と性決定遺伝子をもたない哺乳類の研究
Studies on the Y chromosome and sex-determining gene deficient mammals

三浦恭子(熊本大学 大学院生命科学研究部)
細胞死・細胞老化の調節から見るハダカデバネズミの抗老化・発がん耐性メカニズム
Resistance to aging and carcinogenesis in naked mole-rats: insights from the regulation of cell death and cellular senescence