会長あいさつ

新会長よりご挨拶

2020年11月6日
公益社団法人 日本動物学会
会長 稲葉一男

 

 会長就任にあたり、一言、ご挨拶申し上げます。日本動物学会は、1878年に創設され、今年で142年になる我が国でもっとも歴史ある学会の一つです。初期の頃の学会は、多様な動物の形態や分類を中心に、生理、発生、内分泌、行動、生態など、様々なレベルで研究し、議論する場として始まりました。会長の多くが、多様な生物の宝庫である臨海実験所の所属であったことからも、当時の動物学の主流が伺えます。時代が変わり、ゲノム情報や多くの解析技術が発展してきましたが、学会の基本的な立場は、設立当初から変わっていません。これはたいへん素晴らしいことです。

 動物学会は7つの支部が基盤となっています。それぞれの支部では、支部大会など独自の活動を行っています。学会本部は、各支部から選出された理事から組織されています。各理事は、やはり各支部から選ばれた委員ととともに、学会運営に必要な業務を担当します。学会の将来を担う若手会員にも、委員として積極的に学会運営に参加していただいています。

 年次大会は、研究成果を発表・議論する場として、最も大切な学会活動の一つです。多様な動物を対象とした研究発表にふれ、会員どうしの親睦を深めることができる点は、動物学会の大きな特徴です。他の学会ではなかなか聞けない動物の研究発表を聞いて、目から鱗が落ちることは、多くの会員が経験していることでしょう。本年度予定されていた米子大会ですが、新型コロナウイルスの状況を受けてオンラインでの開催となりました。現在、中国四国支部の皆さんによって、来年度大会に向けての準備が再始動しました。状況が改善され、オンサイトでの開催が可能となることを願っております。

 東北大学浅虫臨海実験所の海側斜面に「それは君大変面白い、君ひとつやってみたまへ」と刻まれた石碑が、ハマナスの低木の中に埋もれています。これは実験所を創設した「みみず博士」こと、畑井新喜司先生の口癖です。このような、自由で、ワクワクする気持ちを育てる研究と教育の姿勢は、時代は変わっても永く受け継がれるべきです。動物学会は、動物科学の発展と一般の方々への普及を目的とする公益社団法人です。本年度から、公益活動拡充の一つとして、動物をきっかけに科学や自然への関心の向上につながるような企画を考えています。将来の地球環境を皆さんで考える機会を提供することができれば幸いです。

 2015年に国連で持続可能な開発ゴール(SDGs)が合意されました。この地球規模の取り組みを背景に、科学にはこれまで以上に国際性が求められています。歴史のある動物学会の風潮を伝承しつつも、国際的な視野も入れた学会からの発信は、今後ますます重要になってくると思われます。学会本部・支部での活動、とりわけ広報やITは重要度が増すでしょう。今期はこれらの活動の強化を図ります。

 最後になりましたが、この2年間、理事の皆さんと運営に携わり、学会の発展に貢献することができるよう尽力します。どうぞよろしくお願いいたします。

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