会長あいさつ

新会長よりご挨拶

2024年12月24日
公益社団法人 日本動物学会
会長 志賀向子

 

 

 

 

 2024年9月より公益社団法人日本動物学会の会長に就任致しました。動物学および動物学教育の推進、社会との連携を掲げ本学会の運営に務めて参ります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 日本動物学会は、我が国では最も歴史ある学会の1つで、1878年に創設されました。動物学とは動物を研究対象とする生物学であり、日本動物学会は動物学の研究者や動物学に興味を持つ研究者を主な会員としています。会員の研究は、多様な動物を対象とし、多岐の研究分野にまたがります。毎年開催される学会大会では、分類学・系統学、形態学・細胞学、発生学、生理学、生化学、内分泌学、遺伝学、生態学・行動学、新興・複合領域、科学史や理科教育を含むその他の分野の発表があります。そして、各分野の中に様々な動物の研究がずらりと並び、最新の結果が発表されます。つまり、日本動物学会では、研究分野を横に、研究対象の動物を縦に並べるなら、それらの組み合わせからなる多種多様な研究が展開されており、研究者が縦と横に互いに情報交換できるとても魅力的な学会です。

 動物学研究に興味をお持ちの方は是非ZooDiversity Web(ZDW)をご覧ください。こちらは我々が発行するZoological Scienceに掲載される論文を動物の学名から探すことのできる検索エンジンです。この雑誌に掲載されている動物の種数は何と13,000種を超えます。皆様が興味を持つ動物について知りたいことがあれば、一度利用してみてください。様々な研究にめぐり合えることでしょう。本学会は、二つの国際学術雑誌、Zoological ScienceとZoological Letters(オープンアクセス誌)を発行し、動物学の魅力ある研究成果の情報発信をおこなっています。Zoological Science は現在オープンアクセスではありませんが、2026年1月から3年間のBioOneによるSubscribe to Openモデルのトライアルに参加します。これにより、本誌もオープンアクセスで出版できる可能性があり、これがスタートする2026年1月にその可否が決まります。近い将来、皆様へより効果的な情報発信ができれば良いと考えています。

 また、本学会は特徴ある多くの賞を設け、表彰活動を行っています。学会員を対象とする学会賞、奨励賞、成茂動物科学振興賞、Zoological Science Award・藤井賞、国際会議発表支援川口賞と、非会員および学会員を対象とする茗原眞路子研究奨励助成金、日本動物学会女性研究者奨励OM賞、動物学教育賞を設けています。詳しくはウェブサイトをご確認され、会員の皆様はもちろんのこと非会員の皆様にも動物学会の活動についてご理解いただき、積極的にこれら賞等にご応募下されば幸いです。本学会は、研究分野・対象動物の多様性に加え研究者の多様性にも注意を払い、ジェンダーによる偏りのない動物学研究の推進を目指します。OM賞は、困難な状況にありながら、強い意志と高い志を持って優れた動物科学分野の研究を推進しようとする女性研究者を支援する賞です。非会員・会員の皆様の応募を心よりお待ちしています。

 動物を対象に基礎研究を実施されている研究者の皆様、是非動物学会大会に参加して本学会の活動・魅力を感じて下さい。そして、まだ会員でない方には是非入会をご検討いただければ幸いです。学生、若手はもちろん、中堅研究者の皆様のご入会を心よりお待ちしています。動物の生き方や成り立ちを理解することは真に楽しいものです。それら研究成果は私たち社会への実用性と豊かさの源となります。皆様と一緒に動物学を突き詰め、これら活動を通して社会に貢献できれば幸いです。最後になりましたが、本学会は全国7つの支部から構成されます。各支部より選出された理事の皆様とチーム一丸となり、より魅力ある動物学会を目指します。理事の皆様、会員の皆様にはご協力を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

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