米子大会大会後記

2021年9月25日

日本動物学会会員の皆様,

公益社団法人日本動物学会第92回大会2021は,ご存知のとおり本来は鳥取県米子市で2020年9月に開催予定でしたが,2020年当初からの新型コロナウィルス感染症拡大のため1年延期となり,2021年9月2~4日の現地開催を目標に準備をしておりました。ところが2021年も感染症拡大が収まらず,準備委員会では5月はじめにオンライン大会への変更を決断いたしました。はからずも(不幸にもと言うべきところですが)今夏の感染拡大により,この決断はやむをえないものであったことがおそらく多くの会員のみなさまにもご理解いただけるものとなりました。
今回のオンライン大会は日程はそのままで,Gather.townというビデオ通話システムにZoomを併用する形で運営されました。Gather.townは各会場への出入り,会員どうしの会話が容易なシステムで,おそらくほとんどの参加者には初めての使用となり最初はとまどわれたかと思いますが,慣れればなかなか便利なものであることは体感いただけたのではなかろうかと思います。
参加者は一般および大学院生660名,学部学生53名,シンポ・関連集会での会員外演者33名,発表は一般演題(すべてポスター)368,シンポジウム・関連集会は本部企画シンポジウム1つを含めて16企画78題,総会での学会賞・奨励賞受賞者講演5題,その他の受賞者(女性研究者奨励OM賞,成茂動物科学振興賞,茗原眞路子研究奨励助成金)ポスター6題,高校生ポスター51題,動物学ひろばオンライン配信5題でした。
このうちシンポジウム・関連集会はZoomを使用しました(Zoom会場へ入口はGather.town経由とURLから直通の2通り)。また高校生ポスターと動物学ひろばは大会参加者以外の方にも見ていただけるようオンラインコンテンツとして配信という形をとり,高校生ポスターの閲覧期間は8月26日から9月8日までとなっておりました。各ポスターには掲示板がありこれを利用して質疑応答や交流も活発にしていただいていたようです。

オンライン大会に変更されたにもかかわらず,多くの方にご参加いただきまして,誠に有り難うございました。大会参加登録は4月21日から始まっておりましたので,一般講演で申し込まれた方の中にはポスターのつもりではなかった方もおられるかと思いますが(じつは私自身,うかつにもオンラインでポスターに変わったことに直前まで気づいておらず,準備委員会に督促されてあわててポスターをつくりました),ご協力くださりどうも有り難うございました。
総会時の挨拶でもお話しましたが鳥取県には動物学会会員が非常に少なく(おそらく全国最少至近と思います),鳥取県で本学会の大会のお世話をする日がくるとは私などは夢にも思っておりませんでした。それが米子市で,という話になったのは,中国四国地区で開催順番が来るという折に,当時理事であった広島大学の植木龍也先生,浮穴和義先生らがいろいろと検討されて米子市の米子コンベンションセンターであれば,広島でよりもむしろ開催しやすいのではないかと判断されたのがきっかけでした。
この判断の後押しになったのは十中八九,2016年に当コンベンションセンターで中国四国支部大会(この支部大会は日本動物学会,日本植物学会,日本生態学会の三学会合同で開催されています)の運営で手腕を発揮された椋田崇生先生が米子市におられたことです。コロナでの延期に加えてオンライン大会への移行もあり,通常の大会よりもだいぶ多めの仕事と心配がありましたが,これを切り抜け大会成功に至れたのはまず第一には椋田先生の献身的なご努力と適切なリードのお蔭です。大会準備・実行委員会メンバーを代表しまして,まずは椋田先生に厚く御礼を申し上げます。
鳥取県内の動物学会会員には日頃この学会がメインの学会ではない先生方も含め全員が何かの仕事を分担してくださいました。また,植木先生,浮穴先生,小林勇喜先生をはじめ広島大学の多くの先生方,山口陽子先生をはじめ島根大学の多くの先生方が,準備と会期中の運営を通して中心的な役割を担ってくださいました。大会の成功に向けて準備委員全員が一致団結してそれぞれご努力下さったことは誇りとするところです。稲葉会長をはじめ学会本部の先生方(前々会長阿形清和先生,前会長岡良隆先生を含む)と永井裕子さんにも準備段階から諸種のご援助と励ましをいただきました。大会のプラットホームにGather.townの活用を薦めてくださったのは阿部秀樹先生でした。以上のみなさまに,衷心より御礼を申し上げます。
本大会を米子市で現地開催できなかったのはつくづく残念ですが,またいつか新型コロナ問題が落ち着きましたら,機会をとらえて山陰にもお越しいただけましたら幸いです。

なお,最終日(9月4日)の公開講演会と動物学ひろばは最後まで現地開催を探っておりましたが,鳥取県内でも新型コロナ感染が拡大したことにより8月中旬には延期を決定しました。講演会演者をお引き受け下さった先生方と動物学ひろばにご協力をいただいたみなさまにはたびたびの予定変更をお詫びします。こちらは2022年3月19日(土)に米子コンベンションセンターで開催予定です。近づきましたらまたご案内しますので,お近くにお住まいの方はお越しいただければ幸いです。

来年の大会は加藤尚志先生(早稲田大学)を大会長として早稲田大学で開催されます。来年の早稲田大会こそは,無事に現地で開催できますことを心より願っております。

第92回日本動物学会オンライン米子大会・大会長 鶴崎展巨(鳥取大学 名誉教授)

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