日本動物学会会員の皆様、
公益社団法人日本動物学会第91回大会2020は、当初の予定では、中国四国支部の担当で、9月3日~5日に米子コンベンションセンターにて開催となっておりました。しかしながら、2020年当初から世界中に広がり始めた新型コロナウィルス感染症の感染予防という観点から、米子大会準備委員会を始めとする大会関係者ならびに理事会で議論を重ねた結果、米子市での学会大会開催を1年先送りせざるを得ないという結論となりました。その結果、2020年度は、学会史上初めてのオンライン大会を、9月4日(金)全日と9月5日(土)半日の計1.5日間という、通常の半分に縮小した規模で、学会本部主導で行うことが決定し、改めて、6月1日にオンライン大会の参加登録を開始しました。
今回のオンライン大会は、概ね次のような方法で開催しました。
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- 公募シンポジウム3枠をZoomのWebinar形式で、関連集会2枠を通常のZoom会議形式で実施
- 一般発表をLINC Bizシステムを利用したオンラインポスター形式で実施
- 本部企画行事:総会、各賞の授賞式、受賞者講演(学会賞・奨励賞)、および本部企画シンポジウム(茗原研究助成対象者3名による講演)をZoomのWebinar形式で実施
特に、一般発表では、発表形式のフォーマットを可能な限りフレキシブルなものにして、発表者の負担を軽減した上で、チャットなどを用いて議論の場を提供できるように工夫いたしました。一方、発表者の皆様にも、各自工夫を凝らした図や動画などの利用により、大変わかりやすいポスターを作っていただき、ありがとうございました。双方の工夫により、一方的な発表ではなく、ある程度双方向性の議論の場が作れたのではないかと思います。発表以外には、大会1日目の夕方に、Zoomの会議室を開放すると共に、Remoを用いたオンライン懇親会も実施してみましたが、いかがだったでしょうか?一方、全国の高校においては、コロナ禍の大きな影響を受けて、授業や学内行事の実施にすら大変な苦労をされているという実情に鑑みて、高校生発表は割愛することにしました。オンライン大会の実行委員会には、学会庶務理事を中心にIT委員会の皆様等に参加いただき、学会長が大会長の役目を果たすという方法で、LINC BizシステムのチャットやZoom等を用いてオンラインによる議論を重ねながら、急遽準備を致しました。急遽実行委員会のメンバーとして仕事をしていただいた皆様、当日のオンライン会議開催にご協力いただいたシンポジウム・関連集会オーガナイザーの皆様、当日のオンライン大会進行に会場係補助として協力いただいた皆様、そして、何よりも、シンポジウムを中心にここまで大会の準備を進めていただいていた米子大会実行委員会の皆様等、全ての方々には、この場をお借りして感謝を申し上げます。
このようにして何とか実施にこぎ着けたオンライン大会でしたが、大会期間の参加者は、通算して、一般会員333名、学生会員341名、非会員29名、招待講演者4名、アルバイト学生4名、の計711名となり、通常の大会の参加者が1000名前後である事を考えると、学会本部や運営委員会が想定していたよりもはるかに多くの方々に参加していただき、動物学会のパワーに改めて感銘を受けると共に、オンライン大会という形式にはなってしまいましたが、やはり、このような社会状況においても動物学会大会を開催することができて、本当に良かったと、心の底から感じることができました。
参加者の皆様方には、今回のオンライン大会に関するアンケートを、大会2日目にお願いしましたので、近日中にその解析結果を何らかの形で学会員の皆様方にお伝えすることができると思いますが、シンポジウム、関連集会、本部企画、そして、一般演題のいずれに関しても、当初危惧していたような、オンライン開催に関わる大きなトラブルもなく、無事に終了できたようです。そして、私共が参加者の皆様方からの声をお聞きする限りでは、大会の最重要部分である一般演題発表において、オンライン開催で有効性が心配された質疑応答に関しても、コアタイム期間内外のチャットや、発表者と質問者の間のオンライン会議等を通じて、それなりに活発な議論を取り交わすことができたように感じております。もちろん、多数の改善の余地はありますが、今回の初めての経験を、ポスト・コロナの時代における動物学会大会運営の参考にしていただけるのではないかと考えております。
これも、すべては、動物学会会員および参加者の皆様方の、学会活動に対する情熱と努力の結果であったと思い、改めて感謝いたします。現在のコロナ禍の状況が次第に収束されていく方向に向かい、来年度の大会が、米子で会員の皆様方に集まっていただいて開催できることを心より願っております。
第91回オンライン大会実行委員会代表・動物学会前会長 岡良隆
追記:発表演題数に関する記載が抜け落ちておりましたので,後の記録のために追記致します(2021.7.29 IT委員会)
本部企画シンポジウム(第1回茗原眞路子研究奨励助成記念シンポジウム)3演題,公募シンポジウム16演題(3企画),関連集会5演題(2企画),オンラインポスター発表252演題,小中高校生ポスター発表(とりやめ)