日本動物学会会員の皆さま
Zoological Letters 編集長の倉谷滋です。
Zoological Letters は、日本動物学会の公式英文誌として Springer Nature
より刊行され、2015年以来、動物学の幅広い分野を対象に世界へ向けた研究成果を発信し、早や10年の節目を迎えることとなりました。ここに到って、私の頭を離れないのはロマン主義の再来という響きであります。巨大データ群に翻弄される現代科学にあって、理性と合理だけで世界を測り尽くせると信じた近代の夢はいまやほころびを見せ始めているといって過言ではありません。科学の進歩がもたらすべきは説明の充足ではなく、むしろ新しい神秘の兆しを探す能力と感性というべきであり、まさにそこから目を逸らすことのできない動物学徒の夢をこそ形にすべきサンクチュアリとして、Zoological
Lettersは10年前その産声を上げたのであります。かつてロマン主義がそうであったように、未知と既知のあわいにこそ動物学をめぐる思索は息づき、そこにこそ探索は続けられるべきであり、その意味で基礎動物学の夢はいまも全く変わってはおらず、むしろその夢を新たにすべき時がやって来たとすら思う次第です。
一方で、昨今の投稿論文数の減少傾向を鑑みて、あらためて会員の皆様からの論文の投稿をお願い申し上げる次第です。
Zoological Letters編集委員会としてもそのために尽力する所存です。具体的なアクションとして、ZL投稿相談窓口(
ZL_inquiry@zoology.or.jp )を新設することにいたしました。会員の皆様におかれましては、通常のpresubmission
inquiryのほか、投稿に際して特段の事情のある場合など、どうぞご遠慮なくご相談ください。例示すれば、学位審査の期限が迫っている状況、他誌での不運な経緯により再投稿を円滑に進めたい場合など、状況に応じて可能な対応を迅速に検討させていただきます。日本動物学会のflagship
journalとして、会員の皆様の優れた論文を速やかに世界へ発信できる機能を強化いたします。
日本動物学会の会員の皆様からの Zoological Letters
への積極的な論文投稿をお待ちしております。
倉谷滋
Zoological Letters 編集長



