第611回動物学会北海道支部講演会のご案内

日本動物学会北海道支部 第611回支部講演会

第611回日本動物学会北海道支部講演会が下記の通り開催されますのでお知らせ致します。

第611回日本動物学会北海道支部講演会

日時:2026年3月6日(金) 17:00~18:00
場所:北海道大学 理学部5号館8階 813号室

演者:田中 良弥 博士(名古屋大学 大学院理学研究科/高等研究院)

演題:種特異的な求愛行動を生み出す神経メカニズム

要旨:昆虫のオスは種ごとに異なる求愛行動を示す。行動遺伝学のモデル種であるキイロショウジョウバエのオスは翅を震わせて「求愛歌」を奏でる。一方、同属のヒメウスグロショウジョウバエのオスは消化管の内容物を吐き戻し、メスに「プレゼント」として贈呈する。このような、求愛行動の種特異性はどのような脳内メカニズムによって生み出されるのだろうか。
キイロショウジョウバエではfruitless (fru)遺伝子を発現する神経回路が求愛行動を形作るのに重要であることが知られている。そこで、プレゼントの贈呈行動の進化的獲得をもたらすメカニズムの理解を目指し、ヒメウスグロショウジョウバエのfruを発現する神経細胞集団を可視化して、その中からこの行動に関わる神経細胞を探索した。その結果、脳内に約18個存在するインスリン産生細胞が贈呈行動を制御することを発見した。ヒメウスグロショウジョウバエでは、インスリン産生細胞でfruが発現することで神経突起が伸長し、求愛司令神経細胞と接続していた。一方、キイロショウジョウバエの脳内にもインスリン産生細胞は存在するものの、fruは発現しないため神経突起は短く、求愛司令神経細胞と接続していなかった。fruを異所的に発現させる遺伝子操作により、キイロショウジョウバエにおいてインスリン産生細胞と求愛司令神経細胞の接続を再現すると、オスが消化管の内容物をメスに対して吐き戻す行動が確認された。これらの結果は、わずか1種類の神経細胞における単一遺伝子の働きによって求愛行動が大きく進化する可能性を示唆する。

世話人:
田路 矩之(北海道大学 大学院教育推進機構)
toji[a]sci.hokudai.ac.jp
[a]を@に変えてください

エゾリス(旭川医科大学RI実験施設 長原稔和氏提供)

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